定年再雇用で働いていた夫が退職して3ヵ月、いや実際は6月半ばくらいから有休消化していたので、4ヵ月以上経った。
最初の頃は、ごくごくつまらないことでケンカもした。こんなんでやっていけるのか?老後生活、大丈夫か?などと、悩んだりもした。
勤続年数41年。そりゃそうだよね。毎日毎日、満員電車やバスに揺られて、会社と家を行ったり来たり。その生活が突然変わってしまうのだから。えっ、どうすればいいの?!と、戸惑ってしまうのも無理はない。
毎日が日曜日、って羨ましい話だけど、「自分は世の中に必要とされてない人間」みたいで辛いらしい。
そんな夫がイキイキし始めたのは、購入したエブリイワゴンが手元に届いてからだった。夫の長年の夢は車中泊でアウトドアを楽しむこと。
燃費の悪さにガッカリしながらも、自分で色々と調べて工夫してDIYを楽しんだりし始めた。持ち前の器用さとこだわりで夢中になり、自分に取っての使いやすさを追求し始めた。日々、時間を気にせずに試行錯誤するのがたまらなく楽しいらしい。
百円ショップやホームセンターを回って材料を探し、ミシンを使ったり工具を駆使して自分で作る。図書館で情報を仕入れることもアイデアの源泉になってるらしい。
「お宅のご主人は多趣味だから良いよね。退職して老後生活が始まっても、やることがいろいろあって楽しそうね。」と、よく言われるが、多趣味だから大丈夫というものでもないらしい。
長い間、毎日毎日仕事に情熱を傾けてきたのに、いきなり放り出されるというのは、想像以上に不安定な心もとない感覚に陥ってしまうものらしい。
趣味がなくて、テレビ見てゆっくりダラダラ過ごしてても、それを楽しめる人もいるらしい。
周囲の人間が、「そんなにボケーっとしてたら老化しちゃうわよ。趣味を持たなきゃ。」とかなんとか、あまり言わない方が良いのだとか。「発言小町」にもよく登場する相談なので、私も読んでいてへえーっと思った。
どんな時でも、自分の好きなことや得意なことがよくわかってる人間は強いなぁ。