rosa8719の今日もご機嫌

59才で2回目の乳がんに。息子二人は独立し夫と二人暮らし。一日一日をご機嫌に。

「幸せがずっと続く12の行動習慣」を読んだ

幸せがずっと続く12の行動習慣
ソニア・リュボミアスキー

タイトルからすると自己啓発書か?と思われそうだが、著者はリサーチ専門の心理学者。22歳の大学院生の時に幸せに関する研究を選んだ。20年近く経過した今は、幸せについての研究は「ポジティブ心理学」として発展したのだそう。

この本で最も大事なことは、「科学的に実証された結果」ばかりを論証しているということ。例えば、[幸福を決定するものは何か]という研究でわかったのは、
・遺伝による設定値 50%
・環境 10%
・意図的な行動 40%
ということ。

意図的な行動40%は自分で変えられるものなので、それについての具体的な手法が述べられている。

“快楽順応”(p60)についての記述が面白かった。
転勤、結婚、転職、整形手術、収入の多い仕事etc。人生の中の劇的な幸せな出来事も、一時的に前より幸せになるだけで、時間が経つと以前のその人自身の幸せの設定値に戻るのだそうだ。

「美容整形で美しくなっても、満足感はほんの短い期間だけで、美しさは幸福とは直接関係がない」「結婚が幸福に与える結果は一時的なものに過ぎない」

えーっ、そうなの?と興味シンシン。結婚後の幸せは約二年程度で、そのあとは通常の幸福度、元の設定値に戻るそうだ。これって、大震災の後によく聞かれた、“正常性バイアス”とも関係あるのだろうか?

「ストレスや悩みへの対抗策を練る」という章にこんな文章があった。(p178)

トラウマのプラス面として考えられるのは、喪失や人生でのネガティブな出来事の中にも、何らかの価値や得るものがあると思えることでしょう。
(中略)
たとえば、乳ガンの生存者である女性たちが発病後に人生が変わった、それも「良い方向へ変わった場合がほとんどだった」という報告があります。実際にインタビューに答えた女性の三分の二がそう答えています。では、乳ガン患者が得た「恩恵」とはいったい何なのでしようか?ガンと診断された女性たちは、自分にとって大切なものを見直し、人生で本当に重要なものを考える必要に迫られました。最も多かったのは、「仕事よりも家庭を大事にすること」でした。そして自分にとって一番大切な人間関係にもっと時間をかけ、家事などに費やす時間を減らそうと決めたのです。

やっぱり!そうそう、そうなのよ!と深く納得した。

幸せになりたい、という思いは万国共通なので、この本は世界15か国で翻訳されてベストセラーになっているらしい。日本では今年の2月に発売された。読んでいるとワクワクしてきて、意外なところも随所にあって、とても面白かった。