ここしばらく、信じられないくらい平和な日々が続いていた。
抗がん剤ドセタキセルのひどい副作用に苦しんだ頃からだろうか。
怒りっぽかった夫が、「妻を労わる夫」に変身し、内助の功を発揮して、すっかり優しくなったのだ。
それでもイライラする時は、サッと2階の部屋にこもり、お香などを焚いて心を鎮めている様子だった。
お陰で衝突することもなくなり、私の心も平静でいられてありがたかった。
昨日の私の誕生日には、「たまには外食でもするか? 」などと言ってくれたが、「仕事だからまた今度でいいよ。」と断った。晩御飯もささやかながら、ちょっと私の好物なども並べられてて、ついつい調子に乗って食べ過ぎてしまった。
優しい夫である。(ここまでは...)
その夜、腹痛下痢で夜中にトイレに起きた(食べ過ぎ??)。
体が冷えて眠れなくなり、居間のストーブを付けて、体調が戻るのを待ってから寝た。
案の定、今朝はすっかり寝坊してしまった。
「昨日の夜、食べ過ぎたみたいで夜中にお腹が痛くなって。起きて居間のストーブ付けて、お腹の調子が落ち着いてから寝たのよ。」と言うと、「それでか。ストーブにエラー表示が出てたから、なんで?と思ってたんだ。」と。そこから夫の怒りにスィッチが入った。
「体が冷えて眠れなかった?腹の調子が悪い?そんなの運動しないからだろ!ずっと家にいて座りっぱなしだから。ウォーキングしてみろよ。朝日を浴びながら。ずっと家にいて座ってばかりいるからそうなるんだ!甘いものばっかり食べてるし。いつも寝る時間も遅過ぎる。テレビ見たりパソコン見たりして、ダラダラしてるからそうなるんだ。」と持論を展開。
定年退職した夫は、ウォーキング・朝散歩を日課にしていて、かなり健康的な毎日を送っている。それは分かるけど。
「私は仕事は立ち仕事だし、座って休んでられない。家にいる時くらいゆっくりしたい。ウォーキングなんてする時間がない。遅番で働いてるから、帰って来てすぐには眠れない。それに、手術して1ヵ月半なんだよ?少し前まで体調が悪くて、それどころじゃなかったんだよ?」と、反論してみたが、「仕事を言い訳にするな!」と一喝された。
そう言われれば何も言えない。体調の悪さも、仕事のストレスのせいにするな、と言うことらしい。
今まで我慢に我慢を重ねて来たけど、とうとう「優しい夫」でいるのも限界が来たのだろうな。現実に戻ったのだ。平和だと思ったのは上辺だけのことだったのだ。
パート先も、またいつものごとく揉め事があり、1月末でまた一人辞めることになった。人手不足の上にさらに...である。体調が戻ったらすっかりアテにされて、結構しんどい。しかし、仕事を言い訳には出来ないのか。
すっかり気持ちがシュンとなった。とほほ。
年末年始に帰って来れない長男が、千疋屋さんの
果物の詰め合わせを贈ってくれた。
大好きな干し柿も入ってる♪フルーツでも食べて頑張ろう。