今回は5人部屋で満室だったが、抗がん剤投与が終わって夕食時になると、隣のベッドの人と2人になっていた。3人は日帰りで帰ったらしい。
ハッキリとした物言いの明るい感じの方だったので、こちらから声を掛けてみた。
「3人の方は日帰りで帰られたんですね。」「私はEC療法4回目なんですけど、抗がん剤何回目ですか?」と。
すると、「私は今回で2回目なんですけど。ごめんなさい、薬剤の名前とかは失念してしまって。私は、希少がんなんですよ。しかも2回目なんです。9年経って反対側にまた出来ちゃって。なりやすい体質なんでしょうね。シコリが出来ないタイプの乳がんなんです。」とのこと。おお、ここにも2回目の方が。「割と多いみたいですよ。この前の方も反対側に、7年経って出来たって。全摘したのに、って言ってましたよ。」そうなのか。
2週間に一度の抗がん剤投与で、副作用の吐き気がかなり強く出るらしく、「吐き気どめの薬を飲むと10日間くらい死んだ人みたいになって。ようやく4日前から元気復活しました。」と言っていた。2週間に一度って大変そう。dose-denseAC療法なのかな??
「最初にこの希少がんになった時、どんなガンなんですか?って聞いたら、『顔つきの悪い意地悪なガンだよ』って、主治医に言われて。MRI撮ったら、もっとある、普通のシコリのあるガンもある、ってことで。でも、その時は温存手術だけだったの。2回目の今回は抗がん剤だ、抗がん剤だ、って言われて。」希少がんだけに、よくわからない事も多いようだった。
「隠しておいても仕方ないと思って、近所の人とかに話したんですけど、『私の周りにも乳がんの人はいたけど、今元気にしてるから、大丈夫、大丈夫。』『私の周りで乳がんだった人は、よーく働く人でね。庭仕事でも畑仕事でも何でもやってて。本当に良く働く人だったのよ。だから、大丈夫、大丈夫。』とか、やたらと自分の周りの数少ない話を持ち出して大丈夫、大丈夫、とか言われると、何を根拠に?と思って腹が立つんですよ。私もちょっとメンタルやられてるからかなー、と思って聞いてたんですけど。」という話は、私も同じように思ってたことがあり、わかるなーと。
私の場合は、なぜか友人の周りで乳がんになった人が、あの人もこの人もウツっぽくなった、という話をさんざん聞かされ、「乳がんになった人はほとんどウツっぽくなる」とでも言いたいのかな?と勘繰ってしまった。たまたま、彼女の周りにそういう人が多かっただけなのかも知れないのに。
気さくな方でたくさんお話出来て、お陰でかなり気持ちが晴れた。
抗がん剤投与の前日になると、どうしても気分は急降下。不機嫌になってしまう私。
ああ、また高額な治療費を支払って、嫌になるほどの体調不良を経験しないといけないのか。1週間の辛抱、と思っていたら、最近は10日間の辛抱に格上げ。受けなきゃいけない治療とわかっていても、うんざりしてしまう。
そして、些細なことにイライラする。夫から、「年金だけだと心もとないから、まだまだパートの仕事を続けてほしいなぁ。」と言われて引っ掛かった。この酷暑の中、ウィッグをかぶって、浮腫んだ足で走り回って。これをまだまだ続けろと言うのか。
抗がん剤治療中は、我慢することが多く、ひたすら忍耐の日々。小さな楽しみをたくさん作っていかないと、我慢に負けそうになる。
義兄から贈られた富良野メロン。今年はメロンが豊作らしい。美味しかった〜。
抗がん剤でつらい体に果物は本当にありがたい。
