☆投与当日 0日☆
抗がん剤EC療法・投与当日。
この日は朝から怒涛の忙しさだった。朝食後、すぐにシャワー浴。少ししてから、「針刺しに来てくださーい。」と呼ばれ、抗がん剤投与の人たちが順番に主治医から針刺し(ルート確保)。
昼食後、少しすると、看護師さんたちがバタバタとやって来て、抗がん剤投与の準備。
投与前に飲む吐き気どめのでっかいカプセルやら、生理食塩水の点滴やら、さらに吐き気どめの点滴も入れられて。
本番のエピルビシンとエンドキサン。終わるまで約2時間。
頭が重い感じでだるかったが、食欲も普通にあってご飯も完食。めちゃくちゃ眠くて、この日はぐっすりよく眠れた。いくらでも寝てられる感じ。
この日、向かいのベッドに一泊入院されて来た方は同じくらいの年代で、気さくなとても感じの良い人だった。楽しいおしゃべりタイムに心癒された。
「コロナワクチン接種した後で、何だか脇の下のリンパに違和感があって。ゴリゴリしていたから、これは何!?とびっくりして受診したの。ワクチン接種で脇の下のリンパが腫れることもあるみたいだよ、と医者は話していたけど、ガンだったのよ。乳房にもしこりがあって。」
彼女はかなり遠くの町から通っていた。ガンの基幹病院がコロナウィルスの蔓延が酷くて、新規の患者を受け入れられず、どこか希望の病院があれば紹介する、という話になってこちらへ。評判の良い今の病院でみてもらえてラッキー♪と思ったらしい。
「抗がん剤ECは、私はそれほどひどい副作用も出なくて、こんなものかな程度だったんだけど、タキソテール(ドセタキセル)はひどかった!!ご飯食べられない、水も飲めない、梅干しとお粥くらいしか、という毎日で、ヘロヘロだった。4回目投与に来た時に、ドクターから、このままじゃ腎不全になっちゃうよ!と言われて。」
薬剤を減量して少し間を開けて、1ヵ月後に全摘手術。リンパ節はごそっと郭清した。
「抗がん剤で苦しんだ甲斐があってか、ガンは消滅したの!!でも、乳房は全摘でリンパ節郭清なのね。それを病理に出して。それで、全摘したんだけど、放射線治療にも行きなさい、と。25回通ったわ。その後、私はHER2タイプなのでハーパーを18回。」
ハーパーとはハーセプチンのことらしい。私は一回目HER2タイプだったので、ちょっと親近感。
そんなこんなで2年がかりの治療になり、それが「今日で卒業なんです。」となったというわけだ。おめでとうございます!!
介護の仕事をされてる方で、「手術して重いものを持てなくなったから、今はパートで働いてるの。」との事だったが、なるほどと思った。お仕事も良く出来る人なのだろうな、話し掛け方や聞き方がとっても心地良かった。
ボケ始めた91歳の義父母の介護もしながら、の毎日らしい。今回の入院では、娘二人(孫もいる)に見てもらっている、とか。
「介護の仕事って、キツイとか汚いとか言われてるけど、楽しいこともいろいろあるの。100歳前後で達者な人に会った時、元気で長生きする秘訣は何ですか?って聞くことにしているの。」意外なことにみなさん同じ答えらしい。
「自分のことは何でも自分でやる。バランス良く食べる。腹八分目でやめておく。」
「赤みの肉より鶏肉が好き。」
ほほぅ。どんな状況にいても、楽しみを見つけられる人は素敵だな。