数日前、パート先の休憩時間。パート仲間が家計費の話で盛り上がっていた。
「私、旦那の年収って、ちゃんとした金額知らないの。お給料の金額も正確には教えてもらってない。」「あら、私もよ。大体の生活費をもらって、それで回ってるんだから、全然問題ないわよね!」「そうよ、そうよ。」「私なんて、家計簿も付けたことないわ。」「私も!家計簿なんて、無理ー。うちは丼勘定だから。」
そこでなぜか、独身男性社員さんへの悪口が炸裂。
「ああいう、数字にうるさい男は嫌だわ。」「日々の買い物の一つ一つにも文句言われそう。」「細かい男は嫌よね。」
途中から休憩に加わった私は、何も言えずにニコニコと聞いてるしかなかった。
私は、結婚以来、31年間家計簿を付け続けている。決して、「ものすごく几帳面な人」なのではなく、何度か夫と家計簿のことで大喧嘩を繰り広げながら、それでも結果的には31年間続けることが出来たのだ。
もともと独身時代から、ノートに手書きで簡単な収入と支出の明細くらいは付けるのを習慣にしていた。結婚後もそんな感じで家計管理をしていこうと思っていたら、夫から、「Excelで家計管理をしたいから、1か月ごとにまとめてパソコンに入力して行って欲しい。」と言われた。
預貯金と手元の現金の総合計も、Excel家計簿と照合して確認しなければならない。これがずぼらな私にはなかなか難しくて、何度も挫折しそうになった。
気がつけば1年半とか2年分の入力をサボってることがあり、その度に大喧嘩に発展した。
「グラフを作ったり、今後の貯蓄の予想をしたりと、いろいろな分析が出来るんだから、サボらないでちゃんとやってほしい。」と夫。休憩室のパート仲間に嫌われそうな、数字に細かくて分析大好きなタイプなのだ。
私がどんなに反論しても、この点は絶対譲ってくれなかった。泣きながら、大晦日の夜にまとめて入力したり、「今週は何があっても毎日この問題に取り組む。」と、夕食後にパソコンに向かい続けたこともあった。
その苦行を何度かこなした結果、私も家計簿を付けることが面白くなって来て、途中からは立場が逆転。「ちょっとー。まだ給与の明細入れてないでしょ。早く入力してね。この前は、給与の数字、間違えてたわよ。」と催促までするようになった。
お金のことは重要である。
家庭が小さな会社だとしたら、二人でうまく運営していくための会議、コミュニケーションは必須なのだ。夫婦仲やなんやかやにも関わってくる。信頼問題にも発展する。
夫が稼ぎ頭なのだから、自分が必死に働いて得たお金の使途不明金があったりしたら、それはやっぱり腹も立つだろう。
住宅ローンを13年で完済出来たのも、二人の息子たちの教育費にヒーヒー言いながら何とか出来たのも、家計費を付けていたお蔭だと思う。住宅ローンの利子を計算出来たことも、シュミレーションで比較出来たことも大きかった。
定年後再雇用の夫とパートの私で生活がうまく回っているのも、家計簿のお蔭だと思う。
年収や給与も全部オープン。単身赴任生活が14年続いたこともあり、名義は別になっていても、合算して一つ財布でお小遣い制。わかりやすくしてある。
各家庭で運営の仕方はいろいろあると思うが、正確なことを伝えてないと、後々困る事態になったりしないのかな?と思う。しかし、様々な価値観の人たちがいる職場で、そんなことを偉そうに語ったりしてはいけない、と思った。
正直に言うと、結婚当初から年収、給与、へそくりまで、全てオープンにして伝えてくれた夫には感謝の思いでいっぱいである。