rosa8719の今日もご機嫌

59才で2回目の乳がんに。息子二人は独立し夫と二人暮らし。一日一日をご機嫌に。

「自殺について」の授業参観

コロナ禍の中で有名芸能人の自殺が相次いでいる。

 

自分とはかけ離れた存在で、年齢も環境もまったく違うし共通点もない。ワイドショーや週刊誌などの報道で知るのみなので、自殺の原因なんてわかるはずもない。

 

「えーっ、あの人がどうして?仕事も順調そうだし、家庭や友人などにも恵まれて幸せそうだったのに。」と、一般人がびっくりするような人たちばかりである。ひどく落ち込んでいて辛そうだった、とか、不安定な雰囲気だった、とかということが全然ないようだ。

 

相次ぐ自殺の報道を見ていて、私はふと次男が中二の時の授業参観の事を思い出していた。

 

当時の担任教師(女性)は私と同世代だった。授業参観が総合学習の時間で「自殺について」というテーマで話し合われた。授業の内容については大分忘れてしまったが、その後の保護者との懇談会での先生のお話が今でも心に残っている。

 

「実は私は中学、高校時代に、とても仲が良かった友人を2人自殺で亡くしています。ニュース等で中学生や高校生のいじめ自殺の報道などを見聞きするたびに、いつか授業で取り上げたいと思っていました。」

「2人とも、成績も人柄も良く、みんなから好かれていました。良く出来た人たちだったんです。自殺を知ったあとの周囲の反応は、どうしてあの人が?なぜ?というものばかりでした。」

「ものすごく頑張り屋さんで、自分の不安を周囲には決して見せない。心配を掛けないように必死にいつも通りに振る舞うから、それでものすごく消耗してしまうようなんです。」

「どうか、お子さんの小さな変化も見逃さず、そんなに頑張らなくてもいいんだよ、と優しく声を掛けて上げてください。」

 

そんなお話だったと思う。いかにも自殺しそうな人、とかではなくて、どうしてあの人が?という人が自殺する。そんな話を聞いたのは初めての事だったので、自分の身近な人が自殺したという経験がなかった私には衝撃だった。

 

☆   ☆   ☆

職場の同僚Iさんは思った事をそのままいう人なので、三浦春馬さん自殺の報道を聞いた時は、「えーっ、なんであの顔で自殺しちゃうのー?すごく綺麗な顔なのに。」と言い、竹内結子さんの自殺の時には、「すっごい綺麗で好きだったのに。彼女が画面にアップになると、わーっ綺麗、って見惚れちゃう。見てるだけで幸せになりますよね。」と、外見の美しさにこだわっていた。

 

竹内結子さん、二番目の子が生まれたばっかりなのに。どうして自殺しちゃったんですかね。」というので、文春オンラインで読んだ内容(幼い頃に両親が離婚し、母親とは生き別れ。父親の連れ子として継母と2人の姉と暮らした。家庭には居場所がなく辛い思いをしたらしい。)を伝えた。

 

するとIさん。「でも、そんな事で自殺しますか?自分が小さかった頃の苦労なんかで。生まれたばかりの赤ちゃんを置いて。」と納得行かない様子。

 

14歳の長男が、結局自分と同じような境遇になり、居場所がなくて辛い思いをしているのではないか、とか複雑な思いもあったのではないかな、と思う。Iさんは愛情溢れるご両親の元で、思いっきり反抗したり本音をぶつけあったりして成長してきたんだろうな、と思う。

 

不幸にして亡くなる人。幼少期に母親との関係が上手く行ってなかった場合も多いのかも、と思う。ぶつかってもガシッと受け止めてくれるような、そんな包容力たっぷりの母親に育てられた人は幸せだなぁ、と思った。