rosa8719の今日もご機嫌

59才で2回目の乳がんに。息子二人は独立し夫と二人暮らし。一日一日をご機嫌に。

大雪の夜

昨夜の東京は4年ぶりの大雪に見舞われ、仕事帰りの電車内も大混雑して大変だったらしい。

「こんな混んだ電車、乗ったことない!ってくらい大変だったよ。定時に退社して急いで帰ったんだけど。駅構内もすごかった。」と夫。東京は23cmの積雪でも大騒ぎになるんだなぁ、と秋田生まれ秋田育ちの私にしてみると不思議な感じだ。

昨日、こちらでは午後5時を過ぎたあたりから、雪が降り積もって来た。パウダースノーで軽いきれいな雪だったが、退社する頃には車が雪で埋まり、道路も圧雪状態になっていた。

夕方、玄関前の雪を心配して見に行った、店長とRさんと私。すると、Rさんが「あら、Tさん。久しぶり!今仕事の帰り?」と、2年ちょっと前に辞めたTさんを発見。買い物で立ち寄ったTさんは笑顔で挨拶。ふと、横を見ると店長は微妙な表情。

「Tさん、今、働いてる所はどうなの?」とRさんが聞くと、「うーん、微妙なのよね。やめようかと思って転職活動してるの。実家の父母の具合がよろしくなくてね。一番上の姉の具合もよろしくなくて。」とTさん。笑顔で帰って行った。

いやいや、待てよ。Tさんはうちの職場を辞める時、「高齢の父母の具合が良くなくて。私が介護をしないといけないんです。もう、階段も降りられないし、歩くこともままならないくらいで。」とかなんとか言っていたのだ。店長が「新人さんが育つまで、何とかもう少し続けてもらえないですか?」と再三お願いしたが、ダメだった。

三姉妹の一番下で、上の二人は独身。3人とも市内にいるのに、なぜ両親とは別に暮らしてる彼女が介護?と不思議な話だった。当時、「辞めたいから無理やり理由を考えたんじゃないの?」と言ってる人が多かったが、やはりそうだったよう。

それにしても、辞めた職場に堂々と顔を出し、笑顔で挨拶し、おしゃべりし。その根性がすごいなー、と思った。

他のパートさんも、Tさんとばったり会った時に立ち話したそうで、その時も違う職場に勤めていたそうである。辞めてから何度か職場を変わったらしい。

Tさんには数々の伝説がある。全て本人が語っていたことだ。「一番最初に勤めた会社で、『もうあなたは明日から出社しなくていいから』と、突然解雇されたんですよ。もう、ショックで。頭の中真っ白になって帰りましたよ。」と、あたかも会社がひどかったような話をしていたが、それって余程なことである。普通に誠実に仕事していたら、そんなことはあるわけがない。

職場を転々とする人は、辞めるのも応募するのもハードルが低そう。採用する側も見抜けないくらい巧妙なんだろうな、と思う。

Tさんより少し前に、店長に解雇されたNさんという人がいる。このNさんは昨年のある日、玄関の自動ドアの所から、「こんにちは〜!」と手を振って入って来た。ちょうど通りかかった店長を見つけると、「店長〜、お久しぶりですぅ!」と満面の笑顔で手を振った。店長はびっくりして固まっていた。

解雇を言い渡され、それが不服で会社の組合に電話して相談していたNさん。結局、自分から退職していったが、そんな相手に満面の笑顔とは。

私とは思考回路が違うのだろうか?人生いろいろである。

大雪の中、そんなことを思い出しながら帰った。