またまた今年もパート仲間が一人辞めて行った。
一年半くらい早番で働いてきたHさん。楽しそうに働いていたし、愚痴や不満をこぼしている所も見たことがなかった。飲み会にも毎回参加していた。
「辞める」と耳にした人全員が、「えっ、本当に?」と信じられない思いだった。
採用されたばかりの頃、「雰囲気が上品で。うちの職場にはいないタイプ。」と評されていたHさん。(他はみんな品がないのか?)やはり、上品な人は密かに不満を募らせていたのかも知れない。
しかも、退職の意向を店長に伝えた時には、次の職場がすでに決まっていたという。「皆さんにご迷惑をお掛けするので、次の職場での仕事が始まるギリギリまで働きます。有給消化も出来なくていいです。」とのことだったらしい。
さすがに抜かりない。これでは引き留めようがないというものだ。その手があったか!
数日前にアッサリと辞めて行った。有力な戦力をまた一人失い、人手不足は全然解消出来ない。
サービス業はどこも「スタッフ募集中!」のノボリとポスターばかりである。時給をあげてもなかなか応募はない。残ったスタッフたちで、足りない分をカバーするしかない。介護パートとして働いてる友人は、「介護の業界も辞めていく人ばっかりよ。人手不足で本当に大変。」と言っていた。
☆ ☆ ☆
仕事場の世間話でよく話題になるのは、「よその家庭のお財布事情」だ。よーく聞き耳を立ててるものだな、と感心するくらい細部に渡って覚えてて、驚愕である。
「あの人、お金がない、お金がない、ってよく言ってるよ。よっぽどご主人の稼ぎが悪いのね。」「子供の進学時期でお金が掛かるのに、高価なブランド品を買っちゃったんだって。」「3人目の子供が生まれたらしいよ。薄給なのにね。計画性がないのかしら。」「実家がお金持ちらしいから、親からお金が出るんじゃないの。」
何気なく悪気なく言ってしまったことから推測されてるようだ。このことから、(私は人前で不用意にお金の話はしないようにしよう)と心に誓った。自分から言わない限り、人の噂の材料になることはない。
幼少期、親からは、「人前でお金のことばかり話すのは下品だぞ。」と教えられた。よその家庭の財布事情なんて、本当の所はわからないものなのに。
私は上品とは程遠い人間だけど、お金に関してだけは下品にならないようにしようと思う。