rosa8719の今日もご機嫌

59才で2回目の乳がんに。息子二人は独立し夫と二人暮らし。一日一日をご機嫌に。

他人の価値観

4月から大学6年生の長男が週末に帰って来ることになった。

単身赴任10年目の夫と予定を合わせ、久方ぶりの親子水入らずである。昨年7月、私の弟の葬式で顔を合わせて以来だ。

大学在学中に起業した長男は、仕事を一生懸命にやり過ぎて1年留年、1年休学。なので、6年間も大学に通うハメになった。この度、めでたく進級が決定したとのこと。

「彼女がうちの実家に行きたいと言ってるので、彼女も連れて行くよ!」と言われ、私も夫も二男も緊張したが、「今回は初顔合わせだから、サラっと会うくらいにしよう。」ということになり、少しホッとした。

彼女はホテルに宿泊し、うちでお茶した後、一足先に帰ってもらう。長男はうちに泊まって、家族でゆっくり話し合う時間を持とう、ということになった。私も二男も仕事で帰りが遅いので、みんなの休みが合う14日に、ということになった。

一昨日の夜。夫がこんなことを言い始めた。

「長男の今後のこと。実はこの2週間ほど、いろいろ考えてすごく悩んでいたんだよ。アイツが勝手に作っちゃった会社、辞める気ないんだろう?親としては安定した企業に就職して普通にサラリーマンやって欲しい、と思うんだけど。でも、それが果たしてアイツにとって幸せなことなんだろうか?と。」

「多分、普通の会社に入っても、自分のアイデアを活かして思ったようには出来なくて、組織の中で潰れてしまうような気がするんだ。今までのことを見てたって、そう思うだろ?自分のことは自分自身が一番良くわかるよな。」

「だったらさぁ、やりたいことをやらせたほうがいいんじゃないかと思うんだ。大きな賭けだけど。普通に就職したって、ダメになる時はダメになるし。アイツは結構、何とかしてやっていこうとする奴だと思うんだよ。」

ええーーーっ。本当に夫が言ってるのかしら?と最初は耳を疑った私。きっと今回も普通に就職しろだの何だのと言って、長男とケンカになるんじゃないかと思ってたのに。後で二男に話したら、二男もまったく同じことを言っていた。

「自分と違う価値観を受け入れるのって難しいよな。今回、本当に難しかった。でも、長男の価値観、生き方を、認めて受け入れることにしたんだ。」と夫。

今まで夫は、自分の価値観を人に押し付けがちで、長男とも二男とも大学受験の時には派手にぶつかり合い、息子たちは猛反発していた。それでも結局最後には息子たちの意志を尊重する形でやって来たのだが。

今回は夫のほうから柔軟な姿勢を見せた。まったくもって意外なことだった。

「今までのあなたからしたら、考えられない!よく受け入れる気になったわね。」と、夫の成長(?)を褒めたら、「いやいや。どうしようかと思って、母にも現状を洗いざらいぶちまけて相談したんだ。そしたら、『◯◯はバカじゃないんだから。やりたいようにやらせればいいでしょ。ダメになったら、その時はその時。』とあっさり言われたんだよ。」と夫。姑、さすがである!

実は実家の父も同じことを言っていた。「◯◯がやりたいようにやればいいんだ。◯◯の人生なんだから。もしそれでダメになっても、アイツは何とかして生きていくと思うよ。大丈夫だ。まだまだ若いんだし。失敗を怖れちゃいかん。しかし、爺さんがエラそうなこと言うと説教臭くなるからな。オレは黙ってるよ。」と。

みんなに後押しされ、今の仕事を続行することになりそうな長男。その人の人生にとっての大事な節目って、不思議と見えない大きな波でも押し寄せているみたい。ザブゥーンという波の中だ。