rosa8719の今日もご機嫌

59才で2回目の乳がんに。息子二人は独立し夫と二人暮らし。一日一日をご機嫌に。

汚部屋(おへや)はゴミ屋敷

一人暮らしの長男は筋金入りの“片付けられない男”である。

その長男の部屋を片付けて良い状態にしてあげて、春からは大学に復学できるように整えてあげたい、というのが夫の切なる願いだった。

たまたま先週末、夫の東京出張と、めったにない私の土曜日休みが合ったので、これはチャンス!と2人で長男の汚部屋の片付けに行って来た。

私は金曜日、仕事を一時間早く切り上げさせてもらい、新幹線で東京駅へ。夫と長男と3人で待ち合わせ、居酒屋で語り合い、宿泊先のホテルへ。

翌朝、夫とアパートへ。長男は少し遅れてやって来た。

休学中だが長男は大学4年生。一人暮らしを始めた時に家電や生活用品を揃えて取り仕切ってくれたのは夫。最初は大学の寮に入っていたが生活できず寮を出た。今のアパートを決めて契約したのは長男。私は現在までノータッチだった。4年目にして初めて見るアパートの惨状。

夫は過去二度ほど長男の汚部屋の惨状を目の当たりにしていて、「とにかくひどすぎる!あまりにもだらしない!あんなに生活能力のない男だと思わなかった!何とかして片付けに行ってやってくれ!」と事あるごとに私に言っていたが、なかなか実現出来なかった。

最近の夫婦喧嘩のネタもそのことばかりで、「あなたが稼げ、稼げ、ばっかり言うからああなっちゃったのよ!」「オレは稼げなんて一言も言ってない!」と堂々巡り。そういいながらも気に掛けて、「なんとかしてあげたい」と頑張る夫は、実は優しくて面倒見が良いのだ。

まさか?!と思ったが電気、ガス、水道は止められていた。「ほら〜、やっぱりそうだろ?言わんこっちゃない。」と夫。

行く前に何度も催促したので、とりあえず水道は開栓手続きされていたが、電気が使えないとなると、掃除機も使えずエアコンも照明器具も使えず不便。ガスが出ないと給湯もダメ。

「アイツは本当に〜!ぶん殴ってやりたい。」とプンプン怒りながらも電気会社とガス会社に電話して手続きをする夫。長男は最初に生活費の引落しに使っていた口座を放置していたようで、今は別の銀行口座をおもに使用しているらしく、残額がなくなってから止められてしまったらしい。

自分で事業を立ち上げ会社を作ったので、そちらの事務所に寝泊まりするようになり、自宅アパートにはめったに帰らなくなっていた。重要書類などもちゃんと見ないで放置したままだったのだろう。

二年間ほど閉めきって放置したままの部屋は、あちこちにカビが生えていてカビ臭がすごかった。もともとオンボロアパートだが、床はゴミ、ほこりだらけ。すべてのものが散乱していて足の踏み場もなかった。

たまにテレビでタレントさんのゴミ部屋の片付けなどをやっているが、まさにあんな感じ。

夫は仕事で疲れた体にムチ打って頑張った(札幌から東京へ出張で来たついでとはいえ・・・)。レンタカーで軽トラを借りて来て、不用品の処分に走り回った。せまい部屋にものすごい量の本があったのだが、ダンボールに詰めてブックオフに持って行った。他の不用品も廃棄処分。

長男の部屋にあった、ありとあらゆるものを処分したら、一番大きなゴミ袋で9袋になった!!六畳一間のアパートに、よくぞこんなに・・・とただただびっくり。

私は朝から晩までほとんど休まずに掃除して片付けた。冷蔵庫が一番大変だった。(あまりにもひどいので内容は書けません。滝汗)お風呂もトイレも。やってもやっても終わらない感じ。

「母ちゃん、朝からずっと動いてるな。そんなに掃除頑張って大丈夫か?まあ、仕事で慣れているのかな。」「そうなのよ。私は仕事でやってるから、ひどく汚れていてもあんまり驚かないわ。大丈夫よ。」なんて言いながらひたすら片付けた。

夕方6時を過ぎて、「まずいなー。このくらいにして帰らないと。」ということになった。夫と二人で新幹線で自宅に戻らないと。私は翌日は仕事だし、夫は飛行機で札幌に戻らなければならないのだ。

「あと一日あれば、台所の収納とか食器とか、洗濯機の掃除も出来るのになー。残念だな。」と夫。長男にはかなりキツイ口調で、「自分の身の回りのこともなんにも出来なくて、何が仕事だ?こんなことでは、何をやっても使い物にならん!」と叱っていたが、最後の最後までキッチリ面倒を見てあげていた。長男は自分のふがいなさに涙をポロポロとこぼしていた。

厳しいことをビシっと言うけれど、一生懸命やってくれた夫。きっと長男の心には響くものがあったと思う。それなら、苦労した甲斐があったというものだ。

自宅に帰り着いたのは夜10時半頃だった。夫も私もへとへとだ。

今朝、いろいろ話して、「今年の年末年始、母ちゃんの実家へ行かなくていいんなら、みんなで◯◯のアパートの片付けに行くか?あと一日二日あれば、完璧に片付くな。横浜あたりで遊んでもいいし、そうするか!」ということになった。秋田の父は「雪で交通事情も心配だから、無理して来なくていいよ。」と言ってくれているのだ。

「長男の汚部屋を惨状から救いたい」という、“夫の悲願”は、年末ギリギリになんとか達成された。大変だったけど肩の荷がおりた。

4年間、母親らしいことをせずに放置していたツケだなぁ、と思う。世の中、片付けられない人は多いが、ゴミ部屋の片付けって本当に大変だ。気力・体力がないと出来ない。いやはや疲れた。