rosa8719の今日もご機嫌

59才で2回目の乳がんに。息子二人は独立し夫と二人暮らし。一日一日をご機嫌に。

弟の死(2)

今にして思えば弟はよく頑張ったと思う。結局途中で辞めたり、解雇されたりしたものの、何度かアルバイトもした。

ここ数年は人との関わりを避け、引きこもった生活をしていた。それでも、父の友人たちや親戚には普通に接していたようだ。

そんな弟なので、家族葬でひっそりとこじんまりとした葬儀にしよう、ということになった。

しかし不思議なことに「同級生一同」の名前で大きな供花が届けられた。友達なんてほとんどいなかった弟に?

家にお悔やみに来てくれた人の中には、「うちの息子がすごく仲良くしてもらってたのに。今は遠くにいるから連絡もとらなくなって。」と涙ぐんでた方もいた。弟の友達。確かに聞き覚えのある名前だ。20代のころ、よく飲みにも行ってたっけ。

「うちのおばあちゃんがすごくお世話になって。よく話してたんですよ。」とバイトをしていた頃の事を感謝される方もいた。

さらに驚いたことには、同級生が二人葬儀に参列してくれたのである。男性と女性一人ずつ。挨拶に行ったら、男性は涙ぐんで、「私はKとは若い頃、よく一緒に遊んで仲が良かったんです。古い家の時、お邪魔したこともあります。自分も結婚したりして、ここ20年位は連絡取ってなくて。それがこんなことになるなんて。」と話してくれた。

「そうだよね、うちにも遊びに来てくれたよね!」私の記憶も蘇ってきた。

葬儀が終わり実家に帰った頃、先程のK君が今度は別の同級生の女性とお線香をあげに来てくれた。

「私も10年位前、心筋梗塞で死にかけたんです。太ももからカテーテル入れて助かったんです!今日も調子悪くてモニター付けてます。」とK君。心臓に負担の掛かる時期なのか?

うちの弟のことを「体はデカいしリーゼントにしたりして、怖そうな奴、と思われてたんじゃないかな?仲良くなると、よく喋るし面白いし、冗談ばっかりいってる奴なんですけどね。」と言ってくれた。

友達がいないわけではなかった、と分かってホッとした。

一人でも分かってくれる人がいると言うことは救いである。