rosa8719の今日もご機嫌

59才で2回目の乳がんに。息子二人は独立し夫と二人暮らし。一日一日をご機嫌に。

高齢の父にiPadを贈ったら

母の十三回忌と弟の四十九日を一緒にすることになり、秋田の実家に行って来た。

父に、「これ、私からプレゼントするから。」とiPadを差し出し、「テレビ電話みたいに使えるのよ。」「私達が撮った写真も共有してこっちで見られるようになるよ。ほら、画面も大きくてきれいでしょ。この前の葬儀の時の写真もあるよ。」と、一生懸命に説明した。

「操作方法はカンタンにファイルにまとめてみたから、これを見れば出来ると思うの。」「YouTube八代亜紀の舟唄も聴けるよ。」と、アピール。

八代亜紀の舟唄は気に入って何度か聞いていた父だが、食らいつき方はイマイチ。そうだよなぁ、なんかそんな感じはしていたんだよなぁ。やはり興味はない様子。かんたん携帯の操作を覚えるのは一生懸命なのだが、iPadとなるとなかなかの拒否反応。

芥川賞直木賞の最近の受賞作も読んでいる父だが、「最近の小説で、パソコンだのIT機器を使う場面が出て来るとダメなんだ。もう読む気がしなくなってしまって。なんだかチンプンカンプンでさ。」と言っていたくらいなので、使ってみたいとも思わないらしい。

そりゃそうだよな。・・・撃沈。

無理強いするのは嫌なので、持って帰ることにした。努力がムダだったのか?と思うと悔しいけど、こんなことになりそうなのは、薄々気がついていたところもあった。仕方ない。

テレビ電話じゃなくても、私と毎日電話で話が出来るだけで大満足のようだし、大きな画像よりは焼いた写真のほうが嬉しいらしい。

この二泊三日の滞在でも結構忙しく、なかなかゆっくり使い方を教えることも出来なかった。何よりも新しいことを覚える、というのが大変なようだ。興味があって使いたいという強い意志があれば食らいつき方も違ってくるのだろう。

残念だが仕方ない。

☆   ☆   ☆
数日前、母方の伯母が二人(二人とも80過ぎ)、娘さんたちと一緒に父に会いに来てくれたのだそうだ。

片や独身で50過ぎの娘と伯母。片や離婚して戻ってきた娘(就職した息子1が人いる)と伯母。うちの父は「あなた方はいいですね。娘と一緒に暮らせて。本当に羨ましい。」と、伯母たちに何度も何度も話したらしい。

伯母があとから電話で、「お父さん、すごく寂しそうだったわよ。私達のことをものすごく羨ましがっていた。可愛そうだから、しょっちゅう帰ってあげてね。」と私に教えてくれた。

昨日も父は親戚、地域の人達の前で、同じ話をしていた。私に聞こえるとマズイよ、と気を使ってくれていた人もいたけど、父が言っていたのは前から知っていたので、これはどうしようもない。

弟が亡くなった直後も、独身の娘と暮らしている伯父のことを羨ましがっていた。「今となっては娘を嫁に出さなくて正解だったよな。」と言っていたが、娘の立場からするとすごく複雑な心境だ。

どうにもならないことをあれこれ悩んでも仕方ないので、とりあえずはマメに連絡を取り合って、ちょこちょこ会いに行ってあげようと思う。