rosa8719の今日もご機嫌

59才で2回目の乳がんに。息子二人は独立し夫と二人暮らし。一日一日をご機嫌に。

最近観た映画の感想あれこれ

大学生の二男が夏休みで暇なので、レンタルDVDをいろいろ借りてきては居間のテレビで観ている。
自分だったら選ばないような作品が多いので、知らない世界を覗き見するような刺激があって面白い。

「ゆれる」西川美和監督
・あらすじ
故郷を離れ、東京で写真家として活躍する弟・猛。母親の法事で久々に帰省し、兄・稔が切り盛りする実家のガソリンスタンドで働く昔の恋人・智恵子と再会する。猛と智恵子とは一夜を過ごし、翌日、兄弟と彼女の3人で渓谷へ遊びに行く。猛が智恵子を避けるように写真を撮っているとき、智恵子が渓流にかかる吊り橋から落下する。その時、近くにいたのは稔だけだった。事故だったのか、事件なのか? 裁判が進むにつれ兄をかばう猛の心はゆれ、そして証言台に立ち最後に選択した行為とは……。

東京で写真家として活躍する弟役はオダギリジョー。実直だけど女性にモテない冴えない兄役は香川照之。兄が想いを寄せる同僚で弟の元カノ役は真木よう子、という見事なキャスティング。母親の一周忌で田舎にやってきた弟・猛は、久しぶりに再会した智恵子と半ば強引に関係を持つ。それにうすうす感づいた兄・稔。

翌日、3人で渓谷に遊びに行き、大きな吊り橋の上で智恵子が転落死する。そのとき一緒にいたのは兄。弟は遠くから見ていた。兄が突き落としたのか?事故なのか?
裁判が始まり、弟の気持ちも兄の気持ちも大きく揺れ動く。

これは最後まで見ないと何とも・・・。亡くなった智恵子さんもすごく気持ちが揺れていたし。
吊り橋というのが象徴になっているんだな、と思う。

それにしても、圧倒的な映像美で、真木よう子さんという女優さんの色気にも圧倒された。西川美和監督ってすごいな。肉体的な感触?も感じられそうな勢いというか。

ヒミズ園子温監督
・あらすじ
住田佑一(染谷将太)、15歳。彼の願いは“普通”の大人になること。大きな夢を持たず、ただ誰にも迷惑をかけずに生きたいと考える住田は、実家の貸ボート屋に集う、震災で家を失くした大人たちと平凡な日常を送っていた。茶沢景子(二階堂ふみ)、15歳。夢は、愛する人と守り守られ生きること。他のクラスメートとは違い、大人びた雰囲気を持つ住田に恋い焦がれる彼女は、彼に猛アタックをかける。疎ましがられながらも住田との距離を縮めていけることに日々喜びを感じる茶沢。しかし、そんな2人の日常は、ある日を境に思いもよらない方向に転がり始めていく。借金を作り、蒸発していた住田の父(光石研)が戻ってきたのだ。金の無心をしながら、住田を激しく殴りつける父親。さらに、母親(渡辺真起子)もほどなく中年男と駆け落ち。住田は中学3年生にして天涯孤独の身となる。そんな住田を必死で励ます茶沢。そして、彼女の気持ちが徐々に住田の心を解きほぐしつつあるとき、“事件”は起こった……。“普通”の人生を全うすることを諦めた住田は、その日からの人生を“オマケ人生”と名付け、その目的を世の中の害悪となる“悪党”を見つけ出し、自らの手で殺すことと定める。夢と希望を諦め、深い暗闇を歩き出した少年と、ただ愛だけを信じ続ける少女。2人は、巨大な絶望を乗り越え、再び希望という名の光を見つけることができるのだろうか……。

暴力的な描写が激しすぎて、私は最後まで見ることが出来なかった。主役の住田少年は親から見捨てられて中学生なのに一人暮らし。時々、父親が金の無心にやってくる。茶沢さんという女子中学生も、親からの虐待を受けて精神的に追い詰められた生活。とうとうある日、少年は父を・・・。

という恐ろしい話なので、ドロドロ過ぎて見るに耐えなかった。しかし、作品の評価は高く、数々の映画賞も受賞している、というわけで、二男が後で一人で観て感想を教えてくれた。「絶望的な人生なのに最後の方に希望があって、すごく感動した。」とのこと。意外だった。

茶沢さんが、「絶望的な状況でも決して死なない女の子」として描かれていて、彼女がキーパーソンになっているよう。住田少年は最後の方はもう精神を病んでいる感じなのだそうだが、茶沢さんに救われるようだ。あんな状況から?!と信じられないくらいだった。

暴力的な表現、というのは私は激しく拒否反応を示してしまう方なのだが、男性はわりと受け入れられるようだ。うちの二男は心優しい男だが、「暴力的・過激な表現を通しての監督の意図も理解出来る。」と語っていた。

それにしても二階堂ふみさんって、変わった役ばかり演じるけど、すごい女優だな、と思う。

川の底からこんにちは石井裕也監督
上京して五年目の佐和子が、末期がんで余命いくばくもない父をたすけるために実家に戻り、潰れかけていた「しじみの製造工場」を立て直すお話。

佐和子役の満島ひかりさんが、「世の中の大半の人は中の下じゃないですか。中の下のしょうがない大したことない人生だけど、頑張らなきゃいけないんです!!」と吠えるシーンが実に爽快。面白い。笑えるシーンが散りばめられていて、和みつつ楽しめる作品。

鍵泥棒のメソッド」内田けんじ監督
これはもう文句なしに面白い!よく出来た映画で十分に楽しめる。
堺雅人香川照之広末涼子だものね。

でも、娯楽作品だな。後に何かが残るかというと?娯楽で終わってしまった感じ。評価はものすごく高い映画なんだけど。

「ステキな金縛り」三谷幸喜監督
深津絵里さんと西田敏行さんのコンビが絶妙!弁護士のボス、阿部ちゃんも良かったなー。評価はあまり高くないけど、とっても面白いコメディだった。

さあ、次は何を見ようかな?