rosa8719の今日もご機嫌

59才で2回目の乳がんに。息子二人は独立し夫と二人暮らし。一日一日をご機嫌に。

「レ・ミゼラブル」を観た

レ・ミゼラブルって、アン・ハサウェイ(ファンティーヌ役)がアカデミー助演女優賞を穫った作品でしょ?」と、CMで前田敦子が泣いているシーンを思い浮かべた私。ヒュー・ジャックマンジャン・バルジャンを演じたイギリス映画。

そのつもりで見始めたのに、ミュージカルらしきシーンもないし、どうもアン・ハサウェイっぽくないし??と、よく見てみたら、二男は1998年のアメリカ映画のDVDを借りてきちゃったようで。あらま。

でも、これは重厚でとっても良く出来た作品だった。ヴィクトル・ユーゴの原作に忠実に作られているらしい。ジャン・バルジャンを演じるのはリーアム・ニーソン。大男で怪力で渋くて。ジャン・バルジャンそのもの。ジャベール警部はジェフリー・ラッシュ、ファンティーヌはユサ・サーマン、コゼットはクレア・ディンズ。

・あらすじ
1812年、19年の刑期を終えて仮出獄したジャン・バルジャンは、銀食器を盗んだ自分をかばってくれた司教との出会いから、改心を決意。9年後、ヴィゴーの工場主兼市長として、市民の尊敬を集める男に生まれ変わった。が、新任の警察署長ジャベールに正体を見破られたため、逃亡を余儀なくされる。孤児のコゼットと共にパリの修道院に隠れ住むバルジャン。10年後、コゼットの頼みで修道院を出た彼は、またもジャベールの影につきまとわれることになる。

「ああ無情」って、小学生の頃、図書館で借りて読んだような・・・。中学生の頃、国語の時間に先生が語っていたような・・・。30数年前なので内容などはすっかり忘れていた。国語の先生は、「この本を読むと、罪を犯すということがどういうことなのか、よくわからなくなってくる。」とか何とか語っていたような気がする。今回、映画を見てみて納得である。

ジャン・バルジャンは貧乏故にパン屋の店先に並んでいたパンを一切れ盗んでしまったために捕まり、19年間投獄される。仮出獄した日に司教の家に泊めてもらうのだが、そこでも銀食器を盗んで行こうとする。ところが、司教は自分をかばってくれ、銀の燭台まで与えてくれた。この出会いから改心したジャン・バルジャンは、9年後、工場主、ヴィゴー市の市長として、人々から尊敬される人物になっていた。その後の行動も、本当にカッコイイ。正義感にあふれていて、いろいろな人達を助けるために尽くしていく。それでも、過去の罪(脱走囚)ゆえに警部には追われ続けるのだが。ラストシーンがいろいろ考えさせる。

「人は変れるのか?」というのがこの物語のテーマなのかな、と思う。
司教との出会いから改心したジャン・バルジャンは、その後名前も変えて人生のやり直しを図る。自分の危険も顧みず、困ってる人たちに手を差し伸べて助けてあげて。見事に生き直すことが出来ているようだ。

ところが、法の番人であるジャベール警部はそれを許すことが出来ない。ジャン・バルジャンの正体(前科)を暴くべく、執拗に追いかけ回す。

ジャベール警部は、最後はジャン・バルジャンを開放してあげるために、自ら手錠をかけて後ろ向きに川に飛び込んで果ててしまう。この終わり方がどうなのか、賛否は分かれているようだ。少し微笑みながら歩き出すジャン・バルジャン。ええっ、こんな終わり方?ちょっとちょっと・・・?と思ってしまった。悪は滅びる?みたいな、そんな終わり方でいいのかな?

私は「人は変れる」と思っている。だから、ジャン・バルジャンの生き方は見ていて実に清々しかった。

名作である。