職場の本部のおエラさん、Iマネージャーが末期のガンであまり長くないらしい、という噂が立ち始めた。
数日前に常務がやって来て、店長と話しているのを私も聞いてしまった。「Iさん、退院して来たよ。抗がん剤やるって聞いて心配していたけど、髪の毛はわりと残ってたな。思ったより元気だった。」と常務。
話の雰囲気からして、がんだからあまり無理な仕事はさせられないし、あまり長くは生きられないようだからどうしたものか、といった感じだった。
Iマネージャーは2年位前に心筋梗塞で倒れて入院して、食事制限などで15kg痩せた、と以前聞いたことがあった。がんだったなんて知らなかった。他の社員たちの話では膵臓がんらしいとのことだが、真偽は不明。どの程度のステージでどんな治療を受けているかなど、具体的なことはわからない。
それにしても、「がんで抗がん剤治療を受ける→脱毛してハゲになる→もう長くはないらしい」という強烈なイメージ。乳がんで抗がん剤治療を受けてハゲになって、一年近くウィッグを着用していた私は、ものすごく微妙な感情を抱いてしまう。
おまけに、何となくみんな私に気を遣って話してる様子。がん=死 というイメージはかなり浸透しているのだな、と改めて思う。
乳がんになったからといってすぐに死んでしまうわけではないし、再発しても転移しても、うまく付き合って長く生きてる方もたくさんいる。他のがんだって、治療が奏功して元気にしてる患者さんはたくさんいる。がんの種類や進行具合によって治療の仕方もさまざまあるということを、自分が乳がんになってみて初めてわかった。
Iマネージャーは仕事の面では厳しいところもいろいろあったようだが、私たちパートには優しく丁寧に対応してくれる誠実な方だった。震災後、春から夏に掛けては、私の職場の担当で店の建て直しのためにいろいろとご指導いただいた。そんな中で昼休みに息子たちの受験の話で盛り上がったことを思い出す。
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優秀だった末っ子次男さん、大学受験の結果はどうだったのだろう?Iマネージャーのがん治療がうまく行って長く生きられますように、と願わずにはいられない。