rosa8719の今日もご機嫌

59才で2回目の乳がんに。息子二人は独立し夫と二人暮らし。一日一日をご機嫌に。

生きてるってすばらしい!!

明日は最後の抗がん剤投与の日。ECの4クール目。

これで最後だと思うと、気分は軽い。投与後には、また1週間苦しみの日々がやってくるのだが、最後だと思えば耐えられる。

FEC1クール目も2クール目も、体調が悪くて辛かった数日は、夜布団に入ると涙が出た。しんどくて苦しくて辛くて、元の元気な自分に戻れないような気がしたのだ。気分はすっかり重病人。

2クール目の辛かった2日間、ひたすらじっとして横になって耐えていた私。そばで見ていた次男がポツリとひと言、「お母さんって、意外と強いんだね。」と言っていたけど、強いんじゃなくて、耐えるしかなかったのだ。

「なんで乳がんなんかになっちゃったんだろう、これから私はどれくらい生きられるんだろう・・・。」多分、経験した人はみんな同じような思いに駆られたことがあると思う。

そんな状態からでも、人間ってちゃんと回復するから不思議だ。辛い苦しいも最高潮に達すると、あとは自然と回復してきて、元気がムクムクと湧いてくる。やる気もパワーも復活する。

「ああ、生きてるってすばらしいなぁ。」と、なんでもない普通のことに妙に感激したり感動したり。普通のことが普通に出来ることの幸せを感じるのだ。

抗がん剤のような、強烈に辛い体験をしたからこそ、得られる境地なのかも知れない。ちょっと悟っちゃったみたいな感覚。自分にとって本当に大切なものとそうでないもの、がハッキリと分かってしまう。小さな悩みは全部どこかへ吹っ飛んでしまった。

ステージⅠ期だし、抗がん剤の副作用も軽いようだし、4クールだけだし、もっと大変な治療を重ねてる人たちに比べれば、大したことのない経験ではあるけれど。それでも、乳がんに罹った人たちは似たような経験をしていると思う。人生観が変わってしまうような経験だった。

年末年始、抗がん剤ハーセプチンの治療に高額の費用が掛かると悩んでいた私に、「金のことは何とかなる。心配するな。」と、言ってくれた夫。花束や高価なプレゼントはもらったことがないが、私にはこの言葉が何よりも嬉しくてありがたかった。

日頃、ムキになってケンカばかりしていたのに。それがまた、辛い時も気持ちを思い切り遠慮なくぶつけられて良かった。乳がんにしろ、震災にしろ、「大変な時には、ちゃんと頼りになる人なのだ。」ということがよくわかった。

心から「ありがとう」と言いたい。

「自分って恵まれているんだなぁ。幸せなんだなぁ。」と、思うことがたくさんあった。今まで悩んでいたことって、何だったんだろう?と思うくらい。乳がんを経験したからこそ、わかったこともたくさんある。

さぁて、明日はまた病院だ。最後の抗がん剤。がんばって来よう。