昨日、2月18日は21回目の結婚記念日だった。
夜遅くなってから、夫から電話があった。
「そういえば今日、結婚記念日だろ?20周年だっけ?」「それは去年。今年は21年だよ。でも、20周年といっても、何もなかったわね。」なんて話をした。
記念日を覚えていない、と怒る女性は多いようだが、私はそれほど頭に来ない。去年など、長男の大学入試と重なってしまったためか、私の方が忘れていたくらい(笑)。今年も夜になる頃にはすっかり忘れていた。
なので、夫からの電話はとーーーっても嬉しかった♪別に何のお祝いもプレゼントもいらない。気持ちだけでいい。こんな風に思えるのも、もしかしたら乳がんになったからかも知れないな。
先日の三連休に、単身赴任先から6時間近く掛けて帰ってきてくれた夫と、つまらないことでケンカした。
仕事が忙しかったり冷え込んだためか、職場でも同僚たちがいつもより不機嫌でピリピリ。私自身も余裕がなくて不機嫌。そのままを引きずって帰宅すると、家に入るなり夫から、「オレの年賀状はどこにしまってる?こっちに送ってくれてないだろ?」と聞かれた。「送ったわよ！！絶対。送ってるはず。」と、ムキになった私。着替えもせずに年賀状を探しまくる。ブスっとした顔で。
・・・あった。夫の言うとおり、送ってなかった。後から来た分の連絡は忘れずにしていたのに。最近、物忘れが多くなった私。はぁ〜。「だろー?」と、夫に言われてムッとした。
そのまま、口も利かずに夕食の準備に取り掛かる。(なによ、もう！仕事で疲れて帰って来たのに。これじゃ、コーヒーを飲む暇もないわ。)と、プンプン。そして、久しぶりに落ち込んだ。
こういう嫌〜な気分になったのは久しぶりだった。相手が夫だと遠慮がなくなってしまう。せっかく帰ってくれたのに、ケンカしてるわけにもいかないし、と、途中で気持ちを切り替えた。
夫だって、ものすごくいろいろなことを我慢していると思う。ついつい自分中心に何でも考えてしまいがちだけど。単身赴任生活も丸6年。ウェブカメラを通して見る一人暮らしの生活は、なかなかわびしいものがある。
そうやって積み重ねてきた21年。
乳がんになって、(もしかして私、死ぬかも。)と、思ったときに、一番寂しかったのは、自分だけが家族から離れて行かなければならないのか・・・と実感したこと。息子たち2人と、もう会えなくなる?なんて、考えただけで辛くなる。
夫は、NHKスペシャルの「無縁社会」を見て、一人ぼっちの老後を想像して体調を崩した、と言っていた。夫婦離れ離れのまま死んでいくのは嫌だ。
故郷の父の悲しそうな顔を想像しただけで辛くなる。
抗がん剤とハーセプチンの治療を受けようか、どうしようか、と悩んだ時も、夫や息子たちの気持ちがありがたかった。
だから、つまらないケンカなど、している場合ではないのだ。乳がんが教えてくれたことはとても大きい。
