がんは治るのか?
ということを調べていくうちに、こんなサイトを見つけた。
上野直人医師の連載コラム、「がん治療の原則」より引用させていただきました。
がん治療の原則(2)
■がんになると、以前と同じ人生には戻れません
厳しいことを言って申し訳ありませんが、がんは治りません?!
つまり、治るとは、どういうことなのかということです。僕自身、がん患者ですが、患者として言えることは、仮に医学的にがんが治ったとしても、多くの患者さんは再発がおきないか、心の中で葛藤しています。また、治療の副作用やその経験によって、人生観が変わってしまいます。
なので、僕は患者さんには、がんになると以前と同じ人生には戻らないだろうと言います。決して同じ人生に戻れるとは言いません。「治る」、すなわち「以前と同じ人生に戻れる」と気軽に言うのは、医療従事者の勝手な言い分だと思います。
さて、人間はいずれ死にます。がんになると、この、人間はいずれ死ぬという明白な事実が真に迫ってきて、今まで考えたこともない人生観というものを考えさせられるようになります。しかし、がんの告知を受けない人は、この人生を考えるという、またとないチャンスをのがすことになります。
また、がん患者が死を感じ、自分の人生を考えるということは、がんの初期の段階から、緩和医療が必要なことを意味します。がん患者が、この病気とどのように取り組みたいのか、そして、どのように死を迎えたいのかは、いろいろだと思います。いろいろで良いと思うのですが、がんと診断された時から、それらのことを考えた方がいいと思います。そして、がんの初期から、がんの症状を軽減し、生活の質(QOL)を高める緩和ケアを行っておけば、それらの様々な人生をよりよく選択できるようになります。
そういうわけで、医療従事者は、治療のみならず、緩和ケアも含めて、患者さんとつきあうことが大切です。つまり、がんという問題は、患者さんの人生の中では、消すことのできないスタンプを押されたようなものなのです。がんになるとは、がんと共に生きることなのです。
ご自身もがん患者ということで、重みのある深い言葉だ。
こちらの一般向け掲示板、「治療とその選択」の中で、HER2陽性・早期乳がんの奥さまの治療法方について悩む男性からの質問と、それに対する返答が興味深かった。こちらです。
3ページめの、あいさんという方の書かれた文章にグッときた。(引用させていただきました。)
私の主治医は素っ気無い方であまり積極的に説明してくださるタイプではありません。それでもハーセプチンに対しては思い入れがあるのかな、と当初より感じていました。
治療も山場を越えた、というか多分私がもう無駄に心配をしない段階になった頃、主治医に言われたことがあります。
「早期で腫瘍を取りきったようでも再発してしまう患者さんがいる、そういう人はHER2陽性が多かったんです。そこを何とかしたい、と開発されたのがハーセプチンなんです。今回もハーセプチンが無かったらかなり厳しかったと思います。」
ハーセプチンだけで済むならもう少し楽なんですけど、抗がん剤を併用しないと十分な効果が得られないとか。そう言われると素人の私は従うしかありません。
今まで乳癌で命を落とされた方ってどれ位いらっしゃるんでしょう、助けてあげたいのに何もできず悔しい思いをしてきた医療従事者やご家族、、、
そういった方々の思いの集大成が現在の標準治療 ー 私はそう思います。そして上野先生がいつも仰るように「標準治療は普通の治療ではなく、最善の治療」
ハーセプチンが初期治療の補助療法として使われるようになってからまだ日が浅いので、予後の改善にどれぐらい寄与しているのかはこれから、でしょうが、5年後、10年後、目覚しい成果をあげているのでは、、、あげてもらわなくては私も困ります。
抗がん剤の使用について、ご夫婦ともにかなり悩まれた様子。掲示板でサポートしてもらえるのは心強かっただろうな、などと思って読んだ。
チーム医療、ってなんか良い感じである。がんと闘うのを助けてくれるような人が、チームを組んで見守ってくれてる、というのは安心出来る。
希望が持てる、というのは大事なことだ。