職場で仕事中にAさんが、「私、オッパイにしこりがあるのよね。やっぱ、検診とか、ちゃんと受けないとだめだよね。」という話をOさんとしていたことがあった。
その頃、私は乳腺外科クリニックで細胞診を受けた直後だった(結果はまだ出てない)。いつもなら、世間話には食いついていく私だが、事態の深刻さからかそんな気分には到底なれず、聞こえないふりをしてうつむき加減に仕事を続けていた。
Oさんは、「私も乳がん検診で引っ掛かったことあるけど、その時の医者は、『痛みがあるんでしょ？触られて痛みがあるなら良性だから。乳がんだと痛みがないから。』って、言ってたよ。多分、大丈夫よ。良性のしこりなんじゃない？」と、Aさんに言っていた。
自治体の検診で引っ掛かったらしいが、その医者って、大丈夫なんだろうか？？？
その時の私は、乳がんの知識もあまりなくて何も言えなかったが、まるで迷信のようなものだ。そんなのを信じ込んで、1年、2年と放っておく人は多いのだろうと思う。
私は、痛かった。
乳腺クリニックで、横になって手を上にあげて超音波で診てもらい、「こことここがしこりだね。」と、指摘されるまで、自分では気づいていなかったのだが、(ああ、ここかー！)と、納得した。
半年くらい前だろうか。着替えるときにしこりに触れて、(あれ？)と思ったことがあった。しかし、(生理前だからしこってるのね。)くらいにしか思わなかった。上部内側で乳頭からやや離れた場所なので、見つけにくい場所なのだ。
細胞診、針生検、と続くうちに、痛みを感じるようになった。正確には、以前から痛みはあったのに、気にしないようにしていたのかも知れない。
乳房の奥の方で、つねられるような、つままれるような、そんな痛みを感じることがある。ちょっと、引っ張られるような感じ？だろうか。よーく見ると、引きつれもあるし。
人間はみんな、自分の都合の良い方に考え勝ちなのだ。乳がんのしこりかどうかは、細胞や組織をとって調べない限り、確定診断は出来ないのだから。
その後、乳がんで仕事をしばらく休むことをAさんに告げると、検診から現在までの経緯を根堀り葉堀り聞かれた。あまりにも突っ込まれるとつらい時期ではあったが、やはり専門医に診てもらうのが一番だと伝えた。
私は忙しい(というか、ずぼらなだけ？)のを理由にして、7年間も乳がん検診をしていなかったのだ。とりあえず、今発見されたのでぎりぎりセーフ。
(いつもは健診は11月頃だったのに。なんで今年は8月なのよ〜。よりによって、こんな記録づくめの猛暑のときに〜。日程変更してもらおうかな？)
と、文句タラタラだったのだが、今にして思えば、8月に受診することになったのも何かの縁？かも。
信頼出来る医師に診てもらって、信頼出来る病院を紹介してもらった。自分の運の良さを信じるしかない。
告知から1ヵ月半ほど。今の病院で診察を受けてから1ヵ月ちょっと。手術までの期間が、私にはちょうど良いくらいのタイミングだった。(「急げば10月末でも手術出来ますよ。」と言われたが、夫の仕事の都合で無理だった。)
あとは、任せた！
