rosa8719の今日もご機嫌

59才で2回目の乳がんに。息子二人は独立し夫と二人暮らし。一日一日をご機嫌に。

がんに効く生活

昨夜、長距離・単身赴任生活中の夫から電話があった。

仕事が多忙でいろいろと気苦労も多いこの時期。疲れと共に、私の入院・手術のことが、急に「とっても心配!」という気分になったらしい。

強い口調でガンガン言ってたかと思うと、急にヘナヘナと“超・心配性”になってしまう人なのだ。口の悪さと心根の優しさが同居した、不可思議な性格だ。長年の付き合いなのに、未だにこのタイミングは想定外。「今頃、なんでそんなに心配する?」と、思ってしまう。

私の場合、自分の体の状態をちゃんと知りたくて、必死にパソコンや本にかじりついていたからなぁ。かなりのブログや体験談、掲示板などを読んだので、その時はドーンと落ち込みまくったものの、自分は比較的まだ軽いほうかも?とも思えて、現実を受け止められつつあった。

しかし、夫は、私から話を聞く程度だから、乳癌のことも詳しくは知らないわけだ。乳癌の知識なんて、普通そんなに詳しくは知らない。マスコミに報道される程度のことしか浸透していない、というのが現実。夫の心配も無理はない。

と、いうわけで、先日、病院で手術について説明されたことを、丁寧に詳しく解説しながら伝えた。「そんなにカンタンに死ぬことはないと思うよ。」と、言うと、「そうか、少し安心した。」と、夫。

「それで、どのくらい切除するんだ?何グラムくらい?乳房の何%くらい?バランス悪くなるんじゃないか?変形するだろう?どのくらい切るんだ?傷口は小さくしてもらえるのか?」と、聞いてきた。面白い〜、どうしてそんなにわたしの胸が気になるんだろう?大体、何グラムなんて、医師は言わないよ。

「わたしの病変部は、境界がイマイチ曖昧だし、切らないとわからない部分もあるみたい。ただ、正常細胞を2cmくらい付けて大きめに切除するものらしいよ。しかしさぁ〜、私なんか、全摘でも仕方ないのかな、と思ってかなり覚悟してたから。温存でいけるだけでありがたいよ。それに、誰に見せるわけでもないから、バランス悪くても、変形しても大丈夫。私のオッパイをジーッと見つめる人もいないでしょ?」と、答えた。夫だって、しばらく見てないじゃない?

外科医は本当のこと、確実性の高いことしか言わない。最初に診てもらったクリニックの医師も今の担当医も、はっきりと何cmとは言わなかった。エコーの画面でおおよそのサイズを確認して、「早期ということで大丈夫でしょう。」と告げられたのだ。

手術のあとの放射線治療も、ホルモン治療も、副作用についてはいろいろ調べた。「大変だな・・・。」と夫はため息をついていたが、これはもう仕方のないこと。女性ホルモンを止めて、急速に更年期状態になり、オバサン化していくことになるのだ。

夫との電話を終えた後で、横にいてピアノを弾いていた次男がポツリとひと言。
「お父さんが心配しまくって落ち込んで、当の本人のお母さんが逆に励ましてたね。これって、逆じゃね?」
あら、本当だわ。何だかなー。顔を見て喋ればもう少し違うのだけど、離れ離れだと意志の疎通もなかなか大変だわ。

Amazonで面白い本を見つけた。癌のカテゴリで売れてる本を探したのだ。

がんに効く生活 NHK出版 ダヴィド・S・シュレベール著

出版社/著者からの内容紹介
31歳のとき脳腫瘍が発見された精神科医の著者。自分の命の期限を知ってしまった著者は、「生きる」ことに望みをかける。摘出手術、化学療法を受けながら、がんのメカニズムを研究し、食事・心のケア・運動による「がん克服」メニューを導き出す。自らその方法を実践した著者は、がん発見から15年、いまも現役医師として活躍している。
本書では、がんのメカニズムを解きながら、がんを育てない、たとえがんになっても成長させない、がん治療に効果的な体質にする生活術を具体的に紹介していく。さらに、脳腫瘍により、著者の人生も人生観も大きく変っていった。そのエッセイも随所に盛り込まれている。

がんと闘っている人、治癒してもなかなか不安が消えない人、身近な人ががんと告知された人、そして健康を維持したい人への、がん体験記と克服法の両方を併せ持つ新しい「抗がん(anticancer)」本。

本に助けられた。癌患者は全世界にたくさんいるし、治療法も日々進歩している。こんな人もいるんだ!と、知るだけで、とっても励みになる。
素晴らしい本に出会えて良かった。