rosa8719の今日もご機嫌

59才で2回目の乳がんに。息子二人は独立し夫と二人暮らし。一日一日をご機嫌に。

「本物のがん」なのか「がんもどき」なのかがわかれば・・・

近藤誠氏の「がん放置療法のすすめ」と、「医者に殺されない47の心得」を読んで、読み終わった後に一番疑問に思うことは、「じゃあ、本物のがんとがんもどきはどうやって見分けるの?」ということだ。

近藤氏の主張によれば、がんほど誤診の多い病気はなく、本物のがんなのかがんもどきなのかは、顕微鏡で見てもわからないという。病理検査で細胞の顔つきががんであっても、粘膜にとどまって浸潤も転移もしない「潜在がん」「がんもどき」がとても多いのだそうだ。「遠く離れた臓器に転移する能力を持つかどうか」が決め手になる、ということは、なってみないとわからない、ということ?放置するかどうかも、ひとつの大きな“賭け”になってしまうのだろうか?

「がん検診は何の役にも立たない」と主張されているが、私はそもそもがん検診で早期で見つかって治療した経験者。抗がん剤投与で一泊入院していた時に、末期がんの患者さん数人と少しお話したことがあるのだが、「私の場合はかなり進んで悪くなってから病院に来たからね。自分でも乳がんだろうと思っていたんだけど。もっと早く診てもらえば良かったわ。治療が大変よ。」とおっしゃっていた。早期だから完治する、というほど簡単なものではないかも知れないが、こじれてからの治療は大変そうだった。

しかし、近藤氏の主張が「まさにそのとおり!」と思えることも経験している。

昨年11月夫の自然気胸(肺)の手術前検査で、「腺癌疑い」という7ミリの腫瘍が見つかった。CT検査で見つかってしまった腫瘍だが、「肺がんのようなので早く切ったほうがいい」と言われて摘出手術した。
こちらの記事→ 夫の病理検査結果
結果は良性腫瘍でまったく問題ないとのこと。肺がんのような扱いをされていたので、検査結果を聞くまで怖かった。

2011年12月には、実家の父に「腫瘍マーカーが基準値を超えているので前立腺がんの疑いあり」とのことで、検査入院で組織を取って調べられて、こちらもとても心配だった。
こちらの記事→ 父の検査結果
腫瘍マーカーの数値は高かったのに、12ヵ所から組織を取って調べて異常なしだった。

この2点は近藤誠氏が書かれていることが「まさにそのとおり」なのである。それと、前回の記事にも書いた、知人のお母さんの脳動脈瘤の手術について。医師の説明の仕方など「まさにそのとおり」。以上のことから、私は「真実をちゃんと書かれてるんだな。」と思った。“医学界の絶滅危惧種”と呼ばれ、他の医師たちから総スカンを食らおうとも、勇気を持って一石を投じようとする近藤氏には拍手を送りたい。

1000人の死を見届けた終末期医療の専門家で緩和医療医の大津秀一さんもブログで取り上げられていた。
医療の一隅と、人の生を照らす 大津秀一オフィシャルブログ
少し前にこの方の著書、「死ぬときに後悔すること25」という本を読んだ。緩和ケアの専門医として、近藤氏とはまた違った経験もされているようだ。意見が同じ所、間違いとして見過ごせない所、いろいろあるとのこと。また違った視点で興味深い。

結論としては、「全部正しいとも全部間違っているとも言えないのではないか?」という、かなり曖昧な所に落ち着いた。