rosa8719の今日もご機嫌

59才で2回目の乳がんに。息子二人は独立し夫と二人暮らし。一日一日をご機嫌に。

崩れ落ちる・・・

入院までまだ間があるうちに、と、雑用をこなし、生命保険会社へも連絡をして手続きを進め、入院に必要なものを買い揃えたりしていた。

銀行の口座も、ずっと放ったらかしだったので、まとまった金額を別の口座に移そうか、としていたところ、夫から激しいクレームが飛んできた。

「なんでそんなことを勝手にしようとするんだ!ちゃんと相談してからやるのが筋だろ?どうしても納得いかない!」と、言われた後で、
「大体さー、手術して、意識不明とかになったらどうするんだ?口座がどうなってるか、全然わからなくなって、どうしようもなくなるだろ!!」

意識不明・・・。その言葉に打ちのめされた。私は死んじゃうかも知れないんだ!!

別に、夫が稼いだお金を、別口座に移して持ち逃げしようなどとしたわけではない。管理しやすいように、と考えただけなのに、勝手なことをされて、私が意識不明になったりしたら、どうしようもなくなるじゃないか、というわけである。

(ガンか。こいつはもしかしたら死ぬかも知れない。)と、夫が思っているのを知って、それまで必死に保ってきたものが、ガラガラと崩れ落ちるのを感じた。

「ごめんなさい・・・。」と、電話を途中で切り、声をあげて大泣きした。

ものすごく怖かったのだ。自分がもしかしたら死んでしまうかも知れない、と、いうことが。
なんで、死んでしまうかも知れないような、ガンなんて病気になってしまったのだろう?この私が、なんで?と、心の中で叫び続けた。

一緒に生きていても、自分ひとりだけ、違う世界にいるような孤独を感じてしまう。ガンが怖くて怖くて足がすくんでしまう。

その日は、ホルモン療法の副作用について調べまくった後で、辛そうな体験ばかりを読んでしまって、落ち込んでいたのだった。それでも、仕事場では、努めて明るく振舞っていた。

かなり、無理をしていたんだな、と思った。

「ガンとわかってからも、以前のrosaさんと全然変わらないね。」と、職場で言われるくらい、私は頑張っちゃっていたのだ。告知をされた時も冷静に受け止め、泣いて乱れることもなかった。組織検査(病理検査)の説明も、一人で聞きに行き、自分自身の病気について、しっかりと知ることが出来た。

えらいぞ、私!!と、思っていたのだが、実態は崩れ落ちていた。全然、えらくもなんともない。ただのやせ我慢。夫にガンガン言われると、堰を切ったように、ドドーッと出るわ、出るわ・・・。

夫の何気ない一言にも、過敏に反応してしまうくらい、私はピリピリしていたのだ。

でも、ものすごく泣いたら、大分すっきりした。感情は開放しないとだめなんだろうなぁ。

さてさて、今日もまた仕事だったのだが、終わった頃に、保険会社の担当の人から電話があった。
「ご主人さまにも書いていただく書類があるんですよ。それで特約がつけられますので。rosaさんが手術で意識不明とか、字が書けないとかになった場合、ご主人さまに申請していただかないといけませんので。」
またまた意識不明かい!?もう〜、縁起でもないよ〜。意識不明になんか、なってたまるか!
乳がんⅠ期の10年生存率は90%くらいだったはず。まだまだ、死んでたまるか!