医師から“がん告知”されたあと、しばらく連絡をしていなかった、主人の母(姑)に電話した。
「検診で引っ掛かって、専門の乳腺外科で細胞を採って調べてもらったところ、乳がんだとわかったんです。」というと、姑は、
「乳がん?それで、良性だったの?悪性だったの?」
「(えっ?と思ったものの、気を取り直して)悪性です。」
と答えた私。
心の中で、(医者が“乳がん”とハッキリ言ってるんだよー、悪性に決まってるでしょー。)と、思い切り叫んだ。
姑も舌がんなのだが、最初の検査の時は、「悪性よりだがはっきりしない」というグレーゾーンだったのだ。手術後にがんということが確定した。だから、こういう聞き方も仕方ないのだろうと思う。
昨夜、夫に病院で組織生検をしてもらった話をしたら、
「ところで、本当に悪性だったの?」と、またまた聞かれた。医者が、「ほぼ確実に“がん”ですね。」と言ってるじゃないの!この期に及んで・・・と、思わずムッとした。
実家の父は、ものすごーく暗い沈んだ声で電話をしてきた。
「おう、元気か?」
「元気だよ!」
「ところで、・・・あれだろ?子供たちには、がんのことは隠してるんだろ?」
「へっ?隠す?・・・なんでー?」
父の時代には、本人に告知するべきかどうか、ということが大きな問題だったのだろう。こんなに軽く(?)ストレートに告知されるなんて、まったく想像出来ない世界だろうな、と思う。
子供たちは大丈夫だが、父にこそ、隠しておくべきだったかな〜、と、ちょっと後悔した。
「しかし、今の医療技術は進んでるから、乳がんの手術なんて、内視鏡でチャチャッとカンタンにやっちゃうんじゃないのか?日帰り手術なんてのも、盛んだものな。」
と、なぜか軽く言っちゃう父。そんなわけはない。
乳がんで内視鏡というのは、あまり聞かない。取り残しがあれば追加手術にもなるわけで、かなりきっちりと取るはず。内視鏡だと手間ヒマばかり掛かりそうだから、なかなか一般的にならないらしい。
夫も、「全身麻酔じゃないだろ?局所麻酔か?」と言っていた。男性は、乳がんの手術を軽く考えがちなのかな?全身麻酔だよー。しかも、女性にとっては、「どんな風に切られるか。」は、大問題なのだ。
実際、その病気の当事者にならないと、わからないことはたくさんある。マスコミでも、がんの特集などはよく扱っていると思うが、意外に常識的な部分をちゃんと伝えられてないのかも知れない。
番組を作るスタッフ自身やその家族が、がん経験者であれば、大分違ってくると思うのだが。わかりやすく伝えるのは難しい。
乳がんについて、いろいろなブログやサイトを見まくった私が、一番納得出来たのはこのサイト。
錆びない生き方
乳がんといえば、南雲先生。
9月30日に発売されたばかりの本も買ってしまった。