数日前、いとこの嫁Tさんからショートメールが届いた。
「この前、夫婦で叔父さん(うちの父)の所にお邪魔しました。いろいろ話してるうちにrosaちゃんに会いたくなって。」とのことで、トントン拍子に話が決まり、仕事休みの今日、Tさんがうちにやって来た。
いとこ夫婦は県内に住んでいるのだが、嫁Tさんはもともと車の運転が苦手で、ごく近所しか運転してなかったはず。それが「ナビを頼りに行ってみるわ。この前、近くまでは運転して行ったから、多分大丈夫。高速に乗って1時間くらいで行けると思う。」と言うので驚いた。
1時間もしないうちに到着してピンポーン。いやはや、便利な時代になったものである。それにしても、方向音痴や運転下手をどうやって克服したのだろう?
「実家の母がアルツハイマーになって、秋田の施設に入ったの。それで、何回か車で行ったり来たりしてるうちに、わりとどこへでも行けるようになったのよ。こうしちゃ居られない!と思って頑張ったの。」と言っていた。さすがTさん。いとこの嫁さんだけど、気さくで明るくて前向きで良い人なのだ。
いとこの両親は二人ともすでに亡くなっている。Tさんの実家は空き家になっていて、地元には姉がいる。「私は、主人が定年を迎えたら田舎に帰りたいと思っているの。主人は長男だから、年に何回か墓参りにも通ってるんだけど、これから年をとったら行ったり来たりもしんどくなるでしょう?今の家(持ち家)は息子たちにあげてもいいと思ってるんだけど、主人は田舎に帰る気がまったくないのよ。」
空き家をどうするか。墓をどうするか。アルツハイマーの親の面倒をどうするか。どこの家庭でも抱えてそうな問題だ。50代になって、本当にそんな話を耳にする機会が多くなった。
いとこの所も子供は男の子二人。うちより少し年上である。父(いとこ)と息子たちの関係がうまくいってないようで、間に入ってTさんが苦労している様子。
「うちの主人、若い時はそうじゃなかったんだけど、ものすごくワガママになって威張りんぼうなのよ。小言ばっかりガミガミ言うものだから息子たちも嫌がって、顔を合わせないようになっちゃったの。気に入らないことがあると、見下したような態度を取るのよ。」
おおっ、うちの夫と息子たちのバトルもなかなか大変だったけど、こちらはもっと大変かも。ケンカして言い合いしてるほうがまだ健全なのかも知れない、と思えた。
あんなに心根の優しい良く出来たお嫁さんに対してそんな態度・・・。男ってどうして?無駄なプライドが邪魔するのだろうか。うちの夫が優しく思えて来る。
いとこは実家の父には一目置いてくれてるようなので、ぜひ機会があったら苦言を呈してほしい、というようなことだった。父には電話して伝えておいた。
いとこの長男は出来ちゃった結婚の末、少し前に離婚した。孫の面倒を見ていたTさんにとっても辛いことで、毎日のように長男を責めたのだそうだ。そんな時、うちの父に言われた一言が心に残っているという。
「そういうことは、当事者じゃないとわからないことがたくさんあるからな。」
離婚に至った理由、原因をどんなに掘り出して責めたところで、どうにもならない。当事者じゃないとわからない決定的な事。それに気づいてハッとしたTさんは、それからは一切責めるのをやめたそうだ。
「私達夫婦が田舎に帰れれば、叔父さん(実家の父)の所にも行けるし、何かといいと思うんだけどね。」と言われて、(なるほど、それいいかも。)とふと思った。これから先、まだまだいろいろなことがあると思うが、こういうつながりで助け合って行くのもありではないか?
母方の独身のいとこ(60才)ともメールのやりとりをした。みんなそれぞれ、いろいろなことを考える年代のようである。