rosa8719の今日もご機嫌

59才で2回目の乳がんに。息子二人は独立し夫と二人暮らし。一日一日をご機嫌に。

父のがん治療

8月19日、父が入院した。

父といとこのAちゃんと私とで、主治医から現在の父の病状と今回の治療についての説明を受けた。

当初は予定になかったことらしいが、いとこのAちゃんと父がごくごく軽い気持ちでガンの宣告を受けてしまい、実の娘である私は間接的にしか聞いていないので、ぜひ直接説明してほしい、とAちゃんがお願いしてくれたのだ。

父のガンは尿路上皮がんというくくりの中の腎盂がんで、膀胱がんもある。リンパ節にも転移していてそれがかなり大きく、肺にも転移が見られる。CTの画像でシロウトにもハッキリわかるくらいだった。

原発巣である腎盂から膀胱まで摘出すればいいように思われるでしょうが、親分をやっつけても子分もかなり元気なのでそれは出来ない。手術はもう出来ません。」

「年齢的なことを考えて放置するという方法もありますが。何もしないと大きくなっていくと思うんですよ。その場合、出血などすると尿にもそれが出て、血の塊が出来て膀胱をふさいでしまったり、尿が出なくなったり、と一番面倒で大変な事態になるんです。」

抗がん剤を使って化学療法をします。完全にガンを叩きのめすというのはほとんどないです。出来たとしても小さくする程度。今回は根治というよりは“ガンと共存する”ということを目標にしたほうがいいと思う。」

主治医は冷静にかつ言葉を選びながら説明してくれた。しかし、内容はなかなか厳しい。

「3剤併用して化学療法をします。ゲムシタビン、カルボプラチン、ドセタキセルです。年齢等を考慮して1段階減らした量にします。ガンを叩けても、自分の体まで痛めつけてしまってはどうにもならないから。」

「28日1コースで休薬期間をもうけながら3回やります。1日目に3剤、8日目にもう1剤追加して。1コース終わったらCTをとって、様子見て2コースめとさらに3コース。」

「効かなかった場合は薬を変えるか、対症療法になるでしょう。本人の体力まで奪われないように、慎重に投与していきます。」

「入院期間は2か月半から3か月ですね。」

やはり長期戦だったか。

ここで私から聞いてみた。
「今はまだ父も元気ですし、私も出来る限りはこちらの病院まで通ってこようとは思いますが。この先、いよいよ体が弱って来たりした場合、私のほうで引き取って面倒を見たいと思います。その場合、病院を転院するのは可能ですか?」

主治医は「もちろん。大丈夫ですよ。手続きなども問題ないです。」と言ってくれたのだが、すかさず父が「俺はそれは嫌だ。俺は自宅で死にたい。抗がん剤の治療が終わったら、地元の病院のほうに回してもらいたい。」と。

すると、「大丈夫ですよ。県内のあちこちに私たちの仲間の先生がたくさんいますから。」と主治医。父も安心した様子だった。

いつもチャキチャキ動いていたせっかちな父が、入院してからは昼も夜もよく寝ている。どういうわけだか血圧も安定している。いつもは上が140位だったのに、110から120に下がった。血圧計が壊れてるんじゃないか?と父が疑うくらい、今までにないことだった。

一人でガンの痛みと闘い、猛暑に耐え、食事の準備や買い物もストレスになり。それが入院したことで少しラクになったのかな?

明日からいよいよ抗がん剤の投与がスタートする。副作用がひどくならないように、と祈るばかりだ。

☆   ☆   ☆

ど田舎の実家から地元の大病院まで車で1時間20分ほどかかる。10日から12日まで休みをもらい、夫と2人で実家に行き、カーナビを見ながら運転練習をした。超方向音痴な私でも、さすがに今回は必死である。なるべく人を頼らずに、自力で病院まで通うつもりでいた。

私のいとこたちはほとんどが病院のある市内に住んでいて、私より年上。
「遠慮しないでうちに泊まりなさい。」「うちから病院まで近いから。ぜひ泊まって。」「困ったことがあったらいつでも言って。」「おじちゃんの洗濯物は私が洗ってあげるから。」「仕事帰りに寄るようにするわ。」
いやはや。ぜひうちに、ぜひうちに、と引っ張りだこ。ありがたや、ありがたや。

さっそく、昨日は母方のおばの家に泊めてもらった。明日はいとこのAちゃんの家に泊めてもらう。「気を遣うんじゃないよ。困ったときは頼っていいのよ。」と言ってもらえるので、本当にありがたい。そういえば、両方とも独身で親と二人暮らし。

Aちゃんは小学生の頃、本物の姉妹のように遊んでいたが、大人になってからはじっくり話したこともなかった。今回、また距離感が近くなり、頼れる姉が出来たみたいな感じだ。

母方のいとこは、私が未就学児だった頃に母の実家で会ったかな?というくらいなのだが、今回いろいろ話が出来て楽しかった。87才のおばも心身ともに元気だった。話が尽きなくなり、3人で午前1時まで喋っていた。「本当に、本当にだよ。また泊まりにおいでよ!遠慮しないでよ。」と言ってくれた。

まとまった仕事の休みを取れれば一番良いのだが、それが難しいとなった場合、副作用が落ち着いて元気になる後半に仕事に戻ってくるとかすればいいかな?などなど考えてみたり。

父のために、頑張って通おうと思う。