うちの夫が単身赴任を始めたのは、長男が中１、次男が小６の９月からだった。最初は名古屋から始まり、東京、京都、大阪。昨年自宅に帰ってきたのは５回。月に一度帰るなんて無理な現実がそこにはある。
父親不在生活が長かったので、どんな時でも３人でワイワイ喋り合い、意見を出し合って乗り越えてきた。そのためか、長男も次男も恋話まで私に話す。「あんたたちさぁ、普通は親にはそんな話しないと思うよ。私も言わなかったし。」「いや、母ちゃんなら何でも聞いてくれそうな気がするから。」なんて言われると嬉しいけど複雑だ。
「息子が彼女に振られたことをFacebookで知る」なんて、時代だなぁと思う。長男が招待してくれたからこそ読めるんだけど、さすがにコメントはせずに成り行きを遠くから見守っている。
別れ話を切り出してきたのは彼女からだった。長男は結婚するつもりで付き合っていてゾッコンだっただけに、未練タラタラ。数日前、彼女は浮気していて隠していたことを告白した。今は新しい彼と過ごすために借りた部屋に引越している。彼女の浮気については、長男もうすうす感づいてはいたらしい。
別れた彼女から、「５月１日までに直してほしいリスト」というのを告げられたそうである。
○ 12kg痩せる。
……一日三時間ぐらい歩いて、一時間は走り、ご飯は昼ご飯だけにする。油物と水分は食べない飲まない。
○ 靴下・衣類・下着は毎日変える。
○ 毎週洗濯する。
○ ブルガリの香水を買う。
○ 手を石けんで洗う。
○ 毎食後歯磨きをする。
○ シャワーを一日二回浴びる。
○ 同じ靴を連続ではかない。
○ 人の話を聞く。聞いたアピールをする。
○ ネクタイの結び方をマスターする。
○ 新しいひげ剃りを買う。
○ ゴミはゴミ箱に入れる。
○ 自分の話ばかりしない。
別れるのに「直してほしいリスト」とは？面白かったので載せてみた。
長男は176cm80kgだったのを、何とか75kgまで減量したらしい。あと７kg。１日一食生活を続けている。
要は、「あんた汚いわよ。」ということなんだろうな。親として申し訳ないけど、男の子なんてこんなものじゃないか、という気もする。
仕事で衣類の買取もする私は、男性が持ってくる洋服が結構汚い(衿まわりとか袖口とか)のにびっくりしたが、男性バイトくんたちは、「男なんてそんなもんですよ。」と口を揃えて言うのだ。ちなみに、男性で香水プンプンなんて人は私は好きじゃない。男は汗臭いくらいでいいのだ。
彼女の家は、家族、親戚ほとんど早稲田大出身でお母様はフェリス女子大、お父様はある会社の重役、というお嬢様だった。現代の“一億総中流家庭”みたいな日本で、格差なんて感じずに過ごしていた私。彼女の家庭の話からは端々から感じることが多かった。
うちは“超雑草家庭”で、彼女は“筋金入りのお嬢様”なわけである。彼女のお父様に高級フレンチをご馳走になり、家族に紹介してもらった時に、彼女のお母様は「２人がこれからぶつかるとしたら、きっとお金のことでしょうね。彼はちょっとお金にガツガツし過ぎてるみたいだから。」と彼女に言っていたらしい。生活が違うなぁ、と感じた一瞬だった。
別れてしまってから、夫が「なんか、もったいなかったな。」と言い、長男も「もったいないな。」と思っていたようだけど、私に言わせれば、「隠れて浮気するような女はいらない！浮気する前に直してほしいことを話し合うのが先でしょう？浮気する女は、結婚しても気に入らないことがあればまた浮気する。」ということだ。男の浮気よりタチが悪い。
長男は彼女から言われたことを気にしてるようだけど、それってどうなの？と思う。一番大事なのは人間性じゃないの？
