rosa8719の今日もご機嫌

59才で2回目の乳がんに。息子二人は独立し夫と二人暮らし。一日一日をご機嫌に。

小倉恒子先生〜女医が乳がんになったとき〜

サイモントン療法のことを調べていたら、「女医が乳がんになったとき」という、小倉恒子医師が生前書かれた文章に偶然行き当たった。
耳鼻咽喉科の医師で乳がん患者。何度かワイドショーでも取り上げられていた先生だが、2010年の3月に亡くなられたとのこと。乳がん発症から23年目の死。

乳がんになったのは1987年。当時、がんは腫瘤の大きさは 2 ㎝弱だったが、リンパ節転移は13個もあった。

医師からは1年半での再発率は 95 %、そこで再発したら1年半しかもたないと言われ、実の父はそのことを自分の胸におさめ、しばらくたってから彼女に告げたとのこと。当時は胸筋まですべて取るハルステッド手術が主流で、67針も縫われたそうだ。

当時、子供は3歳と5歳。実の母が涙ながらに「みんなで力を合わせて恒子を守っていきましょうよ、子どもの面倒も手伝ってやりましょうよ、ね、Y さん」と元夫(医師)に言うと、元夫は「そんなめんどくさいことは嫌です。もうあれは死ぬんですから」と言ったとのこと。5年後に離婚。離婚から2ヵ月で元夫は再婚した。シングルマザーになってからは、あちこちの病院を掛け持ちしながら、一生懸命働いて子供を育てたそうである。

■がんに勝つ人、負ける人
 これは、ランセットというアメリカの医学文献書に1970年に発表された論文なんですけども、乳がんの患者さんで、治療とかステージとか全部関係なしにして、性格的にどういう人が長生きするかっていうと、やっぱり、一番再発したり治療が失敗する人は落ち込んでいっちゃう人。
 反対に非常に治療が成功する人は、ファイティングスピリットにあふれた闘おうという人。それとケセラセラ、気にしないという人。
 私はね、この2つの組み合わせがいいと思います。つまり、闘うばっかりじゃだめで、気にしない、ダランとする時間も必要ということ。先ほどの自律神経のメリハリを付けてやるということ。
 戦士も休息が必要でね。その時に歌ったり踊ったり、なにか好きなことを見付けてすればいい。
 それと、乳がんでもよく闘病記ってありますけど、嘆き悲しんでる闘病記、これはダメで、反対にすごいファイティングスピリットにあふれたもの、これも一見いいようですけど、緊張のしっぱなしで、リラックスするというメリハリがない。
 自分が病気の人は協調しちゃうんで、だから選んで読んだほうがいいと思います。
 実際には明るい本がいいですね。だから、ワット会長の本とか、それと、おととし書いたんですけど、私の本なんかもおすすめしてます(笑)。
 最後になりましたが、実は私の場合、予後が相当悪いといわれていたんです。リンパ節転移が13個もありまして、10年生存率が20パーセント弱と言われていた。だけど、もう12年をとうに過ぎまして、今もこうして生きています。何がそうさせたかというと、やっぱり私は心の問題かなと思うんです。
 人間には、心がいかようにも自分の身体をコントールできるという可能性がある。
 だから、そのへんのところを考えて、自分はどういうふうに生活していくか、ご自分なりに考えて編み出していって欲しいと思います。
 やっぱり、楽しく生きて行った方がいいし、乳がんしたからといって落ち込まないで、やれない事は何もないんですから、スポーツでも何でも好きなことをやって、自律神経をきたえて、先程のリラクゼーションもやって、メリハリを整えていただきたいと思います。

女医が乳がんになったとき Part2より転載させていただきました。

そしてこちら。↓乳がん手術から職場復帰を果たしたときに、小倉先生が乳腺外科医の恩師からもらったという手紙。内容がとてもすばらしいので、転載させていただきます。

私は幾人もの女性の手術を行っていて、女性の味方なのか敵なのか分からなくなることがあります。この方々は病気のことを心配し疑心暗鬼となり、少し気が弱くなったり・・・・と様々な悲劇がおこります。

いくら私が頑張っても皆さんの病気を癒やし、人生を癒やし、気持ちを癒やすことはできません。

これを悟った患者さんのある方々は、手術後、前向きに進むことをモットーとし、何でもがむしゃらに行ってしまう、やってしまう、進んでしまう・・・・(私はこれを自覚的「ふてくされ」と言っていますが)。
気がつくと五年たち、この五年は手術をしない人(健康な人)の十年も十五年にも値するものになっているのです。こういう人生を歩んで下さい。

結局この方々は手術を受けて、かえって人生が充実するのです。私はこういう方々を見るとじーんと来てしまいます。そしてうらやましく思うのです。

(小倉)先生は女性で、病気におそわれた経験をお持ちでも、先生は医師です。病気に負けることは実に簡単。しかし病気に勝ち、一途に病める患者に対せるのは医師の幸せです。

死を考えるのも我々には重要です。しかし、充実して短期間に没入するのは、もっと必要です。与えられた人生、しっかりやってゆきましょう。

乳がん患者のサロン2 ノエル編 より引用させていただきました。
手術を受けてかえって人生が充実する・・・そんな人生ならいいな。