rosa8719の今日もご機嫌

59才で2回目の乳がんに。息子二人は独立し夫と二人暮らし。一日一日をご機嫌に。

がんと闘わない生き方?

「患者よ、がんと闘うな」という本が大論争を巻き起こしたことがあったが、その張本人である近藤誠医師が、最近また「抗がん剤は効かない」等の発言(文芸春秋立花隆氏と対談)で注目を集めているらしい。

「患者よ、がんと闘うな」は、96年3月発行。あの当時も論争はしばらく続いたのだった。

内容(「BOOK」データベースより)
手術は無用。抗がん剤治療の90%は無意味。がん検診は無駄。「がん常識」を一変させる革命書。第57回文芸春秋読者賞受賞。本書は、こうすればがんが治るだとか、がん治療に明るい未来があるのだと語るものではありません。むしろ、がんは今後も治るようにはならないだろうことを説くものです。…しかし、がんに対する不安や恐怖が、がんの本質や性質に関する無知や誤解にもとづいていたのだとしたら、新たな知識や視点を得ることによって、不安や恐怖はむしろ解消されるのではないでしょうか。

乳がんの温存手術を広めた功績は大きいと思うが、極論も多いようだ。当時、全摘されるのが嫌で、近藤誠医師のもとに逃げて行った患者が多くいたらしい。こちらのサイトに当時の様子がいろいろ書かれていた。
インターネット新聞 JAN JAN

「すごい本を見つけちゃったのよ!!」と、興奮気味のグルから本の内容を教えてもらったのは、97年頃だっただろうか。(※グルについては、カテゴリー“はじめに”“決別への道”を読んでください。私にとって導師であり、師匠であり、親友、姉のような存在だった人。)

「この本に書いてあることは真実だわ!私もがん検診については、ずっと疑問に感じていたのよ。検診なんか受ける必要ないわ。」と、グルは熱く語った。もともと、奇をてらったものとか、常識的なものへの反論とか、先入観を捨てたところにある真実とか、そういったものに強く反応する人だった。

私も引きずられてこの本を購入して読んだ。その頃はガンとはまったく無関係だったのに。グルが薦めるものは何でも素晴らしいもの、と無条件に受け入れていた私。今思い返すと、あまりの頭の軽さが情けない。そんなわけで、私もガン検診受診には消極的だった。面倒くさい、出来ることなら受けたくない、と思っていた。

それから少し経った頃、なんと、グルのご主人(現在は離婚)が大腸ガンに罹り手術をしたのだった。(ご主人は職場の方針で毎年きちんと検診を受診していた。)ご主人が心配性でガン保険にたくさん加入していたらしく、手術・入院の給付金で、保険会社から400万円ほど受け取り、新車を購入したとか、言ってたっけ。

私なんて、今回の乳ガン手術と入院の給付金は138,000円。それでもとても助かった。

グルはおそらく今でも、ガン検診の類は一切受診していないと思う。実母は40代の頃甲状腺ガン(早期)になり手術をしたらしいが、70代の今も再発もなく元気そうだ。

近藤誠氏の理論で、「ガン検診は百害あって一利なし」というのがあるが、私の場合、「今回、検診でマンモグラフィーを撮ったから見つかったガンですね。場所も見つけにくいところにあったし、見逃されてた可能性も大きい。」と、医師に言われた。しかも、早期だけどHER2陽性。1年放置していたら、増殖して大きくなっていたかも知れず。

2001年と2003年に受診したのは、グルのご主人の大腸ガン後だったからか。もちろん自分に全部責任はあるが、グルの考え方から多大の影響を受けていた。とりあえず、7年もガン検診をさぼっていたのに今回発見出来たことは、不幸中の幸いだったと思う。

抗がん剤は効かない」論争も、私としては、毎日コツコツとガン患者の治療に真摯に取り組んでいる、巷の普通のお医者さんたちの声が一番信用出来ると思う。

こちらのサイトはとっても信頼出来る。→ 乳癌を正しく理解するために
ハーセプチンの治療費が高額でも、それで病院が大儲けしているわけではない、とか。なるほど。

何が真実かを見極める目をもたないと、情報に振り回されたり、他人の考え方に振り回されたりする。ブレない“芯”を持つことも大切である。