rosa8719の今日もご機嫌

59才で2回目の乳がんに。息子二人は独立し夫と二人暮らし。一日一日をご機嫌に。

「がん放置療法のすすめ」を読んだ・その1

「がんを放っておいたら、どんどん増大し進行して死に至る。
早期がんも放っておくと、進行がん、転移がんを経て死亡する。
−これが人々が癌に対して抱いているイメージであり、社会通念である。
(中略)
本書第一の目的は、がんを放置した場合の実像を伝えること。」


がん放置療法のすすめ 近藤誠 文春新書

前書きに書かれていた文章である。たしかに、この本を読むまでは私もそんなイメージを抱いていた。
しかし、近藤誠氏の主張は以下の様なものである。

★すべての癌は「本物のがん」か「がんもどき」のどちらかに属し、「本物」は初発がん発見のはるか以前に転移している。がん発見当時に転移がない「もどき」は放置しても(初発巣から)転移が生じない。
★「本物」と「もどき」は顕微鏡で見ると細胞の形が同じなので、病理検査で区別することは出来ない。

さて、近藤誠氏が無治療で経過を観察した乳がん患者70人以上によると、成長速度は一般にゆっくりで、3センチの腫瘍が1年かけて1〜3ミリ大きくなる、という程度のものが大部分で、直径の倍増期間が3ヵ月以内、というがんは1件だけだったそうだ。

「がんは遺伝子の病気。最初に発生したがん幹細胞の遺伝子が転移する能力を持っていない場合、その子孫のがん細胞も転移する能力を獲得できない。」とのこと。

「早期がんを放っておくと周囲の組織へがんが浸潤し、他の組織へ転移する進行がんとなり、さらに末期がんとなって死に直面する」という考え方を「多段階発がん説」(がん一元論)といい、これによると早期発見・早期治療が正しいことになる。

近藤誠氏が主張する「がん二元論」は、<がんは発生当初から他臓器へ転移する「本物のがん」と、他臓器へ転移しない「がんもどき」の、性質が異なる二種類のがんがある。>というもの。

今までどうしてもピンとこない部分があったのだが、この本を読んでようやく腑に落ちた。

本の帯に書かれていることが興味深い。

知っていましたか、がんのこんな真実を?
・PSAで発見される前立腺がんの9割以上は「もどき」
マンモグラフィでしか見つからない乳がんは「もどき」
・子宮頸部の上皮内がんはほとんどが「もどき」
・胸部CTでのみ発見される肺がんは「もどき」
抗がん剤は延命させるどころか命を縮める
・早期胃がんはなかなか大きくならない

・・・知らなかった!夫の肺がん疑いの件がまったく書かれているとおりだったので、本当のことなのだと思う。
(長くなりそうなので、その2は明日。)