rosa8719の今日もご機嫌

59才で2回目の乳がんに。息子二人は独立し夫と二人暮らし。一日一日をご機嫌に。

ご主人に先立たれた友人の言葉

今日は友人HさんKさんと3人でランチ。

Kさんは3月11日の震災でご主人を亡くされたのだ。あれから4ヵ月。
「いきなり主人を失って、自分を取り巻く環境が、急にモノクロの世界に変わってしまったような感じがしたわ。あれだけ可愛がっていたペットを見ても可愛いと思えず、物欲がなくなって何も欲しいと思わなくなった。もう、何もかもがどうでもよくて。それが、ようやくこの頃、世界に色が戻ってきたように感じるの。」
と語るKさん。笑顔が戻ってきた。大変なところから回復しつつあるようだ。

「今でも、ひょっこり帰って来るような気がするの。長期の出張に行ってるみたいな。震災で家族を亡くした人は、みんなそういう感じがするみたいね。」

「約20年の結婚生活だったけど、女の1人や2人いようが、ギャンブル狂いになろうが、そんなこと全然大したことじゃないな、と今なら思えるわ。そんな人じゃなかったけど。もし、今、夫が戻ってきたとしたら、そんなことがあっても、私なら全部許せちゃう!そのくらい、どうってことないことなのよ。20年一緒にいられることも難しかったんだから、共白髪なんて奇跡みたいなものよね。」

「40才くらいの頃(Kさんは48才)、何をやってもつまらなくて、結婚相手間違えたかなー、なんて思ったこともあったけど、私はやっぱり夫のことが大好きだったんだ、ってよくわかったわ。夫も私のことが大好きだったんだと思う。私自身がもっと自立していて、サバサバした夫婦関係だったら、こんなに苦しい思いもしなかったかもしれない。ベタベタした夫婦関係だったから。」
Kさん夫婦は、毎晩2時間ほどかけて、お喋りしながら晩酌と食事を楽しんでいたとのこと。息子さんが大学で遅くなる日は、1人で食べる夕食が何とも味気ないのだという。お喋りの相手も無くて口寂しい。

そんなKさんは、Hさんのこんなひと言に救われたことがあったそうだ。
「夫婦って、何十億人もいる中から縁あって結ばれた一組だから。そう思うと大切にしようと思えるよね。自分が何かで不満を感じているとき、相手もきっとこちらに何か不満を感じているのかも知れない。」
そうだよね。男の人は決して口にはしないけど、相手を間違えた、なんて思われていたりして。

「本当に辛かったけど、周りの友人たちにはとっても助けられて、心の支えになった。ずっと近くに居てくれるわけじゃないんだけど、少し離れた所に居て、ライトで照らしてくれてるような感じがした。それで、明るい方へ、明るい方へ、と導いてもらったような感じ。進む先を照らしてくれているだけでも、とっても心強かった。」
全てにおいて言えることだな、と思った。ガン治療にしても、サバイバーの存在そのものが励みになるのと同じだ。

「夫とは、息子が大学を卒業する4年後に一緒に旅行に行く計画を立ててたし、定年後の夢も計画も、すべて夫と一緒にやるものばかりだったから、パーになっちゃった。楽しみたいことはすぐに実行して、欲しいものは欲しいときに買わなきゃ、と思うようになったよ。」
そうだよね。乳ガンになってから私もそう思うようになった。

夫のことをもっと大事にしないとな・・・と思った、Kさんの言葉だった。