rosa8719の今日もご機嫌

59才で2回目の乳がんに。息子二人は独立し夫と二人暮らし。一日一日をご機嫌に。

親子喧嘩

昨夜、「久しぶりに◯◯(長男)と連絡が取れたから、みんなでSkypeしよう。」と夫が言ってきた。本当に何ヵ月ぶりかで、家族4人揃ってパソコン越しに会話した。夫と長男はしばらく話していない。11月末、手術後退院した時以来か。

長男は自分で会社を立ち上げ、仕事をしながら東京の大学に通っているのだが、「両立するのが困難な状況になってきたので、春からは一年間休学して仕事に専念したい。」と以前から言っていた。夫はそれが気に食わないらしい。

「休学の手続きは大丈夫か?学費は本当にかからないのか?せっかく入ったんだから、稼ぐことばっかりしていないで、ちゃんと卒業しろよ!」
「事務所で寝泊まりしながら仕事してるんだろ?アパートの家賃がもったいない。早く解約の手続きをしろ。片付けも出来ていないし、あんなひどい状態のままにしていたら、不動産屋からかなりの金額の請求がくるぞ。」

仕事柄、今が一番精神的にもキツイ時期なのに、矢継早にああしろ、こうしろ、と指図する。「大体オレは稼げなんて言ってないぞ!!普通に大学を卒業して、普通に就職してくれればいいんだ!」なんてことまで言い出す。

「学費は出してやるから生活費は自分で稼げ、と言ったのは父ちゃんじゃないか!」おとなしく聞いていた長男、とうとうキレた。夫はますますヒートアップ。「もういい!!」長男は怒っていきなりSkypeを切った。

大泣きしながら電話を掛けてきた長男を必死になだめた。「もう実家とは一切関わり合わない!」といった後、私からの電話にも出なくなったので、いよいよ私とも縁を切るつもりか・・・と悲しくなった。

夫からも電話が来た。「オレは間違ったことは言ってない。オレは正しい!◯◯が間違ってる。ちゃんと大学を卒業して普通に就職してくれればいいんだ。会社なんか作らなくていい。稼ぐことばかりやってて、全然自慢でも何でもない。」と正論を振りかざす。

「あなたねー、何やってんの?◯◯の気持ちも考えないで。こんなことやってたら、親子の縁を切られちゃうよ!一切連絡も取れなくなって、どこでどうやって生きてるんだか、わからなくなっちゃうんだからね!!」私も負けずに言い返した。しかし、夫はまったく聞く耳を持たず、自分の主義主張を押し通す。長男の気持ちを理解してあげるよりも先に、自分の感情で突っ走ってしまう。

「おかしいよねー。自分で稼げ、稼げって言っていたのはお父さんだよ。だからお兄ちゃんは必死になって仕事して頑張ってたのに。全然認めてあげなくて、けなしてばかり。」とハタで見ていた二男が冷静に分析。

「◯◯くんって穏やかだから、キレたりしたことないでしょ?ってよく言われるけど、去年、国立大前期試験の後で、お父さんからひどいこと言われた時には本当にキレた。その話をすると、すごくびっくりされて同情されるよ。」と二男。私もそうだ。「めったに怒らない人に見えるのに、どうしてそんなにダンナ様と激しくケンカするの?想像出来ないわ。」とよく言われる。息子たちが大人になって、家庭の外でいろんな人達と出会って、新しい視点で親を見つめた結果、私がキレてケンカしていたのも、「明らかにお父さんが間違っていたことも多いと思うよ。」と言ってくれた。



夫の父親は離農して事業を立ち上げ、共同経営者が失踪して多額の借金の返済に苦しんだのだそうだ。病気がちで入院ばかりしていたので、母親が必死に働いて家計を助けた。夫は新聞奨学生をしながら自力で大学を卒業した苦労人である。だからなのか、とてもお金のことに関してはシビアだし、息子たちと話すこともお金のことばかり。せっかく久しぶりに連絡を取ったのに、「お父さんはいつもお金のことばっかり。」となって、それは息子たちにしてみればイヤだろうな、と容易に想像がつく。

我が家から長男に出しているのは、オンボロアパートの家賃34500円のみである。最近はあまり帰れないので荷物置き場と化しているらしい。それがムダなので、早く解約して荷物を引き上げて、という手続きをしろ、と夫は急かしているのだ。酷なような気がする。長男が通う大学は、経済的に豊かな家庭の子が多く通う所で、「親からの仕送りは一切ないから自分で生活費を稼いでいる」というと、ものすごく驚かれるそうである。親として非常に申し訳ない思いでいっぱいだ。

少しして長男から連絡が来て、落ち着いて話が出来た。私のお給料の口座から少し送金しようと思う。この件で夫から怒られてもなじられてもいい。私が働いて貯めたお金なので、堂々と使おう。

大学の学費と学生時代の生活費、というのは、家計の支出の中でもかなりの負担を占めるものである。シビアな問題だが、長い人生の中ではほんの数年のこと。短気を起こして親子関係が断絶してしまうことにでもなったら、後悔してもし切れない。夫と長男の関係がちゃんと修復されるように、切に切に願う。