60才にして、またまた人生で初めての経験をしてしまった。
仕事中に脚立から落ちて足を捻り、足の甲部分を骨折した。第5中足骨骨折、いわゆる下駄履き骨折、とかいうものらしい。
私は現在まで「骨折」というものはまったくの未経験。
なんてこったい。
販売パートで働いてる私は老夫婦から、「あの商品が欲しいんだけど。取ってくれない?」と呼ばれて見に行くと、什器のかなり上の方に重くて大きな商品が展示されていた。
(マジかー。あんな重いのは今までは手が届く範囲にしか置いてなかったのに。)と思った。新店長は若くて体力もある人なので、ああいう展示でも大丈夫と踏んだのだろう。
人手不足で女性3人しかいなくて、他の人たちもみんな手が離せない状況だった。
脚立を持って行って自分で取るしかない。
商品を取り出して自分の胸元に持ち、脚立を降りようとしたその時。バランスを崩して転げ落ちてしまった。
ガッシャーン!という大きな音と共に床に倒れ込んだ。
左足がものすごく痛くて、しばらく動けなかった。「大丈夫?」他のパートやお客様が駆け寄って来た。
副店長が休憩から戻って来て、お客様対応をしてくれた。
「仕事中の怪我だから労災になるわね。今日はもう早退して、整形外科で診てもらった方がいいわ。」ということになり、そのまま早退して病院へ急いだ。
「仕事中に?では労災になるね。まずはレントゲンを撮って確認してみましょう。」
「あー、これは骨折だね。拡大して見ると、ほらここにヒビが入ってるでしょ?うーん、治るまで2、3ヵ月くらい掛かるかな。年明けくらいにはなると思うよ。」
「シーネ固定しましょう。入浴時は外して良いので、包帯は洗い替えのものを渡すので毎日変えてね。夜寝る時も外して良いですよ。日中はずっと着けて、患部に衝撃を与えないように歩いて。」
「体を使って動かなきゃいけない仕事は、結構厳しいなぁ。あまり動かない仕事なら良いけど。」
「軽症といえば、まあ軽症の部類だけどね。1ヵ月に一度レントゲン撮って様子を見ましょう。」
...マジか。ちょっと大袈裟なのでは?と思ったが、調べてみるとやはり2、3ヵ月掛かる、治りにくい部分の骨折らしい。仕事、どうしよう...。とりあえず、パート先には連絡した。
帰宅してから整形外科クリニックから電話があった。
「すみません、間違えて30%負担で医療費をお支払いいただいたのですが、労災の場合は100%いただかないといけないので、後日お支払いお願いします。その際に、勤務先から労災関係の書類をもらって持って来てください。それと、今ですね、労災の認定基準が大変厳しくなっておりまして。認定されない場合もございます。その場合は返金されないこともありますので、ご了承ください。」
えっ?勤務中の怪我なのに認定されないこともある、ってどういうこと??
クリニックの壁にもそんな貼り紙があって気になっていたのだ。
自分の不注意のせいではあっても、労災認定されなかったら、本当にとほほだわ。