rosa8719の今日もご機嫌

59才で2回目の乳がんに。息子二人は独立し夫と二人暮らし。一日一日をご機嫌に。

「三流シェフ」三國清三 を読んだ

フジテレビ日曜夜10時「Mr.サンデー」で紹介されていたのを見て、どうしても読みたくなってAmazonで注文した。かなり売れてる本らしく、4日後にようやく到着。

 

届いた日の夜に一気に半分読んで、休みの日に残りを一気に読んだ。

面白かった!グイグイ引き込まれて、まさにハマって読み進んだ感じ。

気持ち良かった。この爽快な読後感はどこから来るのか。

なんといっても表紙が素敵だ。

若き日の三國シェフの、この野心に燃えてギラギラした感じ。年を重ねて穏やかな顔つきになった現在。この対比、誰が考えて並べたのだろう。

 

本の装丁にもこだわりやセンスが生かされてるようで、裏表紙の赤い色や字体などの雰囲気が私の好みに合っていた。こういう本は電子書籍じゃなくて紙の本で読みたい。

 

「雑用こそ人生の突破口だ。」と、本の帯にあるように、三國シェフは波瀾万丈な人生を、「鍋磨き」という必殺技で切り抜けてのしあがって来た人。

 

北海道増毛町の貧しい漁師の家に生まれ、中卒で札幌の米穀店に就職する。そこから始まって世界的に有名なシェフになるなんて、普通に考えたら不可能なくらいのサクセスストーリー。

 

読んでいて「さすがに無理でしょ。中卒ではどうしようもないよね。」と思うような場面に何度も遭遇するのに、その度にミラクルな展開がやって来てびっくり。

 

三國シェフは誰とでもすぐに仲良くなれるし、目上の人の懐にスッと入り込むのも上手な人なのだと思う。情熱がハンパないので喧嘩もするが、目標に向かっての突進力、突破力がすごいな、と思った。

 

明快で力強いので、読んでいてスッキリする。普通の人なら自分は中卒だからと諦めるような場面でも、決して諦めずに続ける、その根性と努力。

 

読んでいて、「私ももっと仕事を頑張ろう。頑張らなきゃ。」という思いが沸々と湧いてきた。

 

苦労する覚悟さえあれば、どこかに居場所は見つかる。見つけた場所で一所懸命にやれば道は開ける。ほんとに開けるとは限らないけど。自分にそれしかやれることがないなら、楽観的にやり続けるしかないと思っている。

みんながやりたくないことを、機嫌良くやることだ。苦しそうにやっていたら、周りだっていい気持ちはしない。人は人の苦労をそれほど評価しない。

(P144)

 

 

鍋磨きや皿洗いにも、センスや容量の良さは出るものらしい。人が嫌がる仕事を見つけ、率先してそれを片付けて、厨房をピカピカにする。それが何かの取っ掛かりになる。

 

三國さんは、物事がうまくいかないどん詰まりの局面で、なぜかいつも鍋磨きをして突破して来たようだ。面白いなぁ。