2021年、全世界でベストセラーになった「スマホ脳」のアンデシュ・ハンセンさんの最新作、「ストレス脳」を読んだ。
ここしばらく、調べ物はネットやYouTubeばかりで、まともに本を読んだことがなかった。かなり面白くてワクワクしながらあっという間に読んだ。
「脳の最も重要な任務は生き延びること」というのがテーマらしい。
以下、自分なりに気になった所をまとめてみた。
・私たちの身体は生き延びて子孫を残すために進化したのであって、健康に生きるためではない。脳も同じ理由で進化したのであり、幸福を感じるためではない。
・「幸せな気分でいること」は人生で最も大切なことの上位に必ず入ってくる。(中略)〜つまり常に幸せな気分でいることは、調理台のバナナがあなたを一生満腹にしてくれるくらい非現実的なのだ。私たちは、そもそもそんなふうには出来ていないのだから。
・脳は心配という感情を湧かせることによって、私たちを引きこもらせたり世界を危険に感じさせたりする。「脳の最も重要な任務は生き延びること。」
・ほぼあらゆる種類の不安に、驚くほど効果がある治療方法なのに軽視されがちなのが「運動」だ。
・不安というのは、私たちを守ってきた自然の防御メカニズムであり、私たちが正常に機能している証拠でもある。
・人はなぜ鬱になるのか。「遺伝子が弾をこめ、環境が引き金を引く」。
・人生を左右するような問題に取り組む時に人が鬱々として引きこもるのは、脳の戦略なのかも知れない。
・孤独とは、その人がいくつ社会的接触を持っているのかと、いくつ持っていたいかの差だということ。社交欲求には個人差がある。
・浅い付き合いが多いよりも、親しい相手が数人いる方が大事。
・健康に歳を重ねるための鍵になるのは、一に人間関係、二に人間関係、三に人間関係。
・人生で人間関係に波風の立つ時期があってもあまり関係ない。それよりも、何かあった時に、誰かがいてくれるという認識が大事。25歳で深い孤独を感じていても、人生のあとのほうになると、孤独を感じていない人もいる。
・連帯感は、自分たちという感覚を生む、効率の良い進化型グルーミング。他の人たちと一緒に、悲しい話や面白い話の映画を見たり、踊ったり、歌ったり、スポーツをしたり、トレーニングをしたりすることが大事。
・私たちは対面で会わなければいけない。社交欲求として、物理的に接触する必要性がある。
・10代女子の精神的不調が増えているのは、SNSに費やす時間が多いからか。SNSを通じて常に他人の完璧な人生を見せつけられ、「ヒエラルキー内での地位が下がった」と感じさせられる機会が多い。
・うつの患者で運動している人は、病院に戻ってこない。運動には抗うつ効果がある。
・鬱になるリスクは身体のコンディションの良い人の方が低い。
・運動することでストレスや不安が減り、自信がつき、精神状態が良くなり、自己効力感も高まる。
・(幸せになりたいなら)幸せなんて気にしていてはいけない。その方が幸せになる可能性が高まる。
・幸せを追い求めてはいけない。幸せとは、幸せについて考えることをやめ、意義を感じられることに没頭した時に生まれる副産物。
面白かったー。