私のパート先では、数ヵ月に一度店長との面談がある。日頃の仕事ぶりを振り返り、自己評価と店長からの評価を照らし合わせ、今後に活かしていく、というもの。時給アップなどにも重要な意味を持つ面談である。
数日前、店長とXさんの面談の日は、始まる前からピリピリムード。Xさんは臨戦態勢だった。案の定、面談中の部屋からは、感情を抑えきれず反論するXさんの声が聞こえてきた。
Xさんと店長は、今年の始めにシフトの件で揉めてから犬猿の仲なのだ。
結果的には、シフトはほぼXさんの希望どおりになった。店長は受け入れ難い感じだったが、Xさんに押し切られた。
少し前、Xさんに休憩室でこんな話をされた。
「私、もう少しでここで働いてから3年になるんです。それなのに、全然時給も上げてもらえない！こんなに頑張ってるのに、正当な評価もしてもらえない。なんなんですか、この会社！ひどい会社ねー！」
返事に困る私。
Xさんは、普段は優しいし親切なのだが、自分のやり方にこだわって、社員から注意されても素直に従わないような所があった。ミスを指摘すると感情的になり、周囲が対応に困るようなこともあった。今の店長だけでなく、以前から他の社員とも対立関係になることがあった。そんなこともあって、なかなか評価は上がらなかった。
今回の面談では、その積り積もった不満が爆発してしまったようだ。店長が業務上の話をしても、話は噛み合わず平行線。何を話しても、自分を悪く言われてるように感じてしまうらしい。Xさんの気持ちは晴れないまま、その日は終了した。
翌日は、仕事が終わって社内を出たXさんが、「どうしても納得出来ないので、少し話し合いをさせてもらえませんか?」と戻って来て、店長と話をしたらしい。(私はこの日は休みだった。)それでも、話し合いは決裂。
翌々日は店長が休みだった。
「私、こんな気持ちのままでは仕事が出来ません！」というほど思い詰めた様子のXさんは、他の社員と小一時間くらい話し込んでいた。結論としては、店長との面談を後日もう一度やり直す、ということになったらしい。マジか。
Xさんの主張は、「私の日頃の仕事ぶり、動きをもっとちゃんと見て、正当な評価をして欲しい。他の人がえこひいきされてるようなのは、どうしても納得出来ない。」ということらしい。
それにしても、ここに費やされるエネルギーや時間たるや...。怒りのエネルギー、自分を認めてもらいたいという承認欲求、すごいなーと思う。店長はかなり消耗していて具合悪そうだった。
怒りをぶつけて自己主張したことで、Xさんの評価は上げられるのか。はてさて。
私は自分の方から時給アップの交渉などはしたことがないが、なぜかちょこちょこ時給アップしてもらい(店長は何人も変わったが)、ランクも上げてもらった。従順すぎるかなー、とも思っていたが、無駄にエネルギーをすり減らすこともなく、人間関係は平和にやって来れた。私は平和な方が良いなぁ。
