世間には、主婦の「夫在宅ストレス症候群」なる病名まで存在しているらしいので、私としては、ちょっと身構える感じで始まった、夫の定年後の生活。
それが意外なことに、「あれ?なんか逆に負担が減っちゃって、私、楽をしちゃってるかも?」と、感じることが多くなった。
もともと単身赴任生活が長く、その前から料理や掃除などの家事はお手の物だった夫。スーパーで買い物するのも好きだし、ホームセンターを見て回るのも好き。そんな夫なので、かなり協力的に家事をこなしてくれるようになった。
「昼ご飯はウチにあるもので適当で良いよ。晩ご飯は俺が作るから。」と、買い物からやってくれるようになった。
「30分フィットネスに行って来てもいい?」「いいよいいよ。行っておいで。」と、快く通わせてくれる。
気がつけば、私、ここの所あまり料理をしていないような。主婦なのに、ちょっと罪悪感。
先日は、ケルヒャーを物置から出してきて、玄関前のレンガやブロックをきれいに掃除してくれてた。玄関のタタキもブラシでこすって汚れを落としてくれたらしい。すごい!
お風呂のカビ掃除をしてくれたり、あちこちに棚を作ってくれたりして、本当にありがたい。よく気がつくなぁ。私より家事能力、高いかも。
そんな夫がこの頃だんだん“お母さん化”して来た。
「油ものが苦手だからって、あっさりしたものばっかり食べてたらダメだよ。ほら、ちゃんとタンパク質とらないと!牛乳もちゃんと飲みなさい。だんだん慣れるから。」とか、いろいろ言ってくるのだ。心の中で私は、(お母さんか!)と呟く。
うざいなぁ〜と思って、「北海道でも九州でも行って来たらいいよ。せっかく定年して自由な時間が出来たんだから。行ってきて。」と、何度も言ったら、「まるで家に居られるのが嫌、みたいな言い方だな!」と、怒りそうになった。「そんなことないよ〜。」と私。危ない、危ない。
いつものパターンが崩れて、まだまだ手探り。私は、スーパーの買い物も料理も好きな方だったので、いつものパターンで買ってた物が買えなかったり、いろいろあるのはお互い様だ。
シニアライフも案外楽しいかも。