私が通っている30分フィットネスの教室では、効率よく筋肉を付けるために、タンパク質の摂取を奨励していて、運営元が製造販売しているプロテインの購入を勧めている。
時々、「タンパク質について勉強する講座」が開催されたり、プロテインの試飲会などもあり、何度か誘われたことがあった。もともとまったく興味がなかった私は、用事があるとか何とか言って、うまく免れて来た。それが今回は、個別の電話でついつい予約してしまう羽目になった。
いくら体に良くても、美味しくないプロテインなんかにお金を注ぎ込む気になんてなれない。フィットネス教室は楽しくて、通い始めてもうすぐ一年になるが、プロテインに関しては気が重かった。
どうやって断ろう?ふとメルカリで検索して驚いた!例のプロテインがたくさん出品されていて、少しだけ安くすれば即売れする、くらいの売れ行きだった。
これって、「継続するのが嫌になって余って来た。商品自体は良いものなので、すぐに売れる。」ってことなのでは?ネット上には、良い口コミも悪い口コミも溢れていた。
人間関係のゴタゴタの根源の一つに、「はっきり断れない」ということがあるらしい。強引で押し付けがましい人と、弱気になって断れずに面倒を引き受けてしまう人。はっきりと断った事でギクシャクしても、長い目でみるとスッキリするような気もする。
「教室運営側も商売なんだから仕方ない。今回は、はっきりと断ろう。」と決意して家を出た。
運動が終わった後、コーチと私の一対一で、大学教授によるタンパク質のお話をビデオで見て、プロテイン商品の素晴らしさや、全国の教室メンバーでダイエットに大成功した人の体験談など、お話は盛り沢山だった。
1カ月分で約5000円。うっわー、高いなぁ。「一日あたり180円と考えれば、ヨーグルト買うのをやめてプロテインにするとか。」なんて言われたけど、そんな気にはなれなかった。
「タンパク質をたくさん摂ろうとすると、どうしてもカロリーオーバーになってしまいます。その点、このプロテインはすごくローカロリーですよ。」うーん、でもなぁ。
一度契約してしまうと、そのまま継続して届くシステム。途中で止めることも出来るらしいが、大抵の人は面倒臭くなってそのままにしてしまうのだろう。
「申し訳ないですが、私はやっぱりやめておきます。」今回ははっきりキッパリ断った。
「そうですかー。いいんですよ。他のプロテインとか調べて買われても、全然構いません。気にしないでくださいね。」と、コーチはいつもと変わらない対応で、ホッとした。仕事とはいえ、商売とはいえ、傷付けてしまった感があり、ちょっと気まずい。
こういうのがない方が気楽に続けられるのにな。