数日前、仕事から帰宅した夫が突然言った。
「オレ、今日ケツまくったから!」
ケツまくった?なに?どういうことだろう?とポカンとしていたら、「仕事を辞めることに決めたんだ。今まで我慢に我慢を重ねてやって来たけど、とうとう我慢出来なくなってブチギレた。周りの人たちもみんな聞いてた。」と説明してくれた。
「人間、ブチギレることも時には大切だ。何だかスッキリしたよ。やりたいこともたくさんあるから、今の自分にとっては時間の方が大事だ。」と夫。今の上司は過去に部下だった人。仕事上のことで、今までもたびたびぶつかってきた。今回とうとう爆発してしまったらしい。
高校時代からの友達のご主人も、夫と同年代の従兄弟も、同じような理由で仕事を辞めた。定年再雇用あるある、である。
夫は定年再雇用で一年契約。7月まで勤めて64才で退職すると決意したのだ。65才になれば年金も満額もらえるが、あと一年も我慢を続けるのは無理だったようだ。1年間は収入は減るが仕方ないだろう。
63才から年金をもらえることになったが、定年再雇用で働いていると支給額はグッと少なくなる。10月に8万円、12月に2万円。こんなものか、とびっくりした。仕事を辞めれば支給額も増えるらしい。
「仕事を辞めるのが一年早まっただけだ。一年くらい、何とかなるだろう。」と夫。
それにしても急激に訪れた“夫が辞める日”。突然のこと過ぎて、これからの生活が変わっていくことへの戸惑いがハンパなかった。
「車中泊したい。キャンプしたい。九州旅行に行きたい。世界歴史の、表に出てない真実みたいなものを勉強したい。ドローン動画の編集もしたい。庭づくりやウッドデッキの作り直しもしたい。」とまあ、やりたいことがたくさんあるようで、仕事を辞めることに後悔もない様子。
私の毎日も激変しそうである。