義母が亡くなったとの連絡を受け、翌日には飛行機とレンタカーで移動して、夕方、義兄宅に到着した私と夫。ひと足先に到着していた義妹もいた。
「今夜はお弁当を頼んだんだ。色々忙しいから悪いな。ジューシー唐揚げ弁当だ。でっかい唐揚げだろう?」
義兄が用意してくれたのは、かなりのボリュームの唐揚げ弁当。付け合わせは千切りキャベツくらい。(どうしよう。。。)私は困っていた。
「あっ、兄ちゃん、悪いな。うちの奴、胆石やって胆のう取ってるから、脂っこいものは食べられないんだよ。揚げ物とかは難しいと思うわ。」
夫が気を利かせて説明してくれた。
「ああ、そうだったな。悪いな、気が付かなくて。事前にちゃんと聞いて注文しておけば良かったな。」
義兄、義姉が冷蔵庫を開けて、「納豆なら大丈夫?松前漬けもあるよ。」と、色々並べてくれて助かった。夫が気にせずに言ってくれる人でありがたかった。夫も昼食におにぎりと唐揚げを食べていたので、正直、(うわ、また唐揚げか。)と、思ったらしい。
翌日の朝と昼はおにぎりやサンドイッチをいただき、お通夜の夜は宅配のお寿司をいただいた。
葬式の日は火葬場で仕出しのお弁当をいただいた。
昔ながらの仕出しのお弁当は、天ぷらや揚げ物が中心。隣に座った夫にあげて、私が食べられそうなものを逆にもらった。たくさんの人が集まる席での食事って、難しい。
うちの夫は、もともと仕出しのお弁当が苦手な人で、私の亡父の葬式の時も、それで結構イライラしていた。温かくないものを食べるのが嫌なようだ。
火葬の後、義兄宅に泊めてもらったが、夕食は、「悪いな。さっきの仕出しの弁当が残ってるんだ。勿体無いからみんなで食べよう。」ということになった。多めに注文していたらしい。こうなってくると、普通のご飯が恋しくなる。
☆ ☆ ☆
私はもともとは好き嫌いもほとんどなく、何でも美味しく食べられる食いしん坊だった。それが、胆石で胆のうを切除したことで、脂っこいものを食べるとお腹を下すようになってしまった。
たくさんの人が集まる時に体調不良で苦しむのは辛いし、迷惑も掛けてしまう。しかし、あれがダメこれがダメ、なんて言うのも我が儘だし、などと考えたが、今回は夫が言ってくれたお陰で助かった。
通夜葬儀を通して体調はバッチリ大丈夫だった。
いろんな病気や体質の人がいるので、こういう心配りは大事なことだと思う。ともすれば人は、他人のこういうことには無神経にあれこれ言ってしまいやすいものだから。