rosa8719の今日もご機嫌

59才で2回目の乳がんに。息子二人は独立し夫と二人暮らし。一日一日をご機嫌に。

「心に折り合いをつけて うまいことやる習慣」を読んだ

中村恒子さんは89歳の精神科医。今もフルタイムで働いている。いつでも目の前のことに徹して、「日々たんたん」と生きてきたのだそうだ。中村恒子さん流の人生論が詰まった一冊。

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考え方に共感する部分が多くて、「おお!それでいいんだ。」「やっぱり、そうだよね。」と、心にストンと入り込んでくることが多かった。

89歳の人生の大先輩に太鼓判を押してもらったようで、何とも心強い。

いいなぁ、私もこんな風に生きていきたい。

 

精神科医の仕事をしていると、「なんのために働くか」と悩んでいる人にしょっちゅう出会うという。やりがいがない、褒められない、人間関係がつらい、などなど。そんな人たちに「お金のために働くでええやない。」と一言。「生きがいとか己の成長なんてのは、余裕が出来てからボチボチ考えれば良いこと。」だと。

 

人間関係で悩む人も多いが、「人を変えることは出来ないから、今いる場所でどうしたら自分が快適に過ごせるのかを中心に考えることや」と。

職場で合わない人とは薄ーく付き合って、「この人はいいな、面白いな。」と思ったら、看護師さんでも事務の人でも、年齢や立場を気にせずに仲良く付き合ったのだそうだ。

「人は一人で生きていくもの」と思っていた方が、結果的には良い人間関係を作れるのだ、と。

 

働きながら男の子二人を育てた経験から、子供の巣立ち、親離れ子離れについても書かれていた。

「寂しいから、いつまでも子供にひっついて手放したくない。いつまでも親のいうことを子供に聞かそうとする。子供が成人して結婚してからでも、親として濃密に関わろうとする。そんな依存的、支配的な親が、子供の自立を阻んでいることが、ことのほか多いみたいですわ。」と。

「思春期からは子供の人生と自分の人生の重なりを外していき、成人する頃には重なりがすっかりなくなる。親の人生と子供の人生とはまったく別物になる。そんな意識を持つとうまく子離れできると思います。」

それでも親子の間には橋がかかっていて、時々行ったり来たりする。うーん、いいなぁ。私もそんな風でありたい。

 

「結婚した時点で息子はお嫁さんにあげた。孫は当然、息子とお嫁さんのもの。」こう言ってくれるお姑さん。すごいなぁと思う。

 

ご主人が外で飲み歩いては大盤振る舞いをする人で、自分が稼がなくては家計が回って行かなかった。おまけに田舎から両親が出てきて同居し、気がつけば両親に生活の主導権を握られていた。その頃が恒子先生の人生最悪の時期。その時期に悩み抜いた経験が、のちの仕事に大いに役立ったのだそうだ。

 

今年はなかなか良書に巡り会えなかったが、この本は面白かった。