お粥にすっかり飽きてしまって食べたくないと父が言うので、うどんを短めに切り柔らかく煮て冷やして、つゆを別にして持って行ったら、「うん、これはうまい。これなら食べられる。」と食べてくれた。
少し食欲が出てきて、おまんじゅう、おにぎり、チーズ蒸しパン、ウィダーインゼリーくらいなら食べられるようになった。元気が出てきて前向きになって来た。もう少し栄養価の高いものも食べられるようになれば、と思うが、今の段階では食べられればいいようだ。
朝の回診の時に「食べられるようになってきて良かったですね。2回目の抗がん剤のこともそろそろ考えましょうか？来週の半ばくらいかな？他の先生たちとも相談してみますね。」と若いドクターに言われたそうだ。
2回目の抗がん剤って・・・。まだ完全に回復してなくてもやるのか？と思ったので、「やるの？無理しなくてもいいんだよ。」と父に言ったら、「やるよ。」と即答した。
「この前気が付いたんだけど、最近、前のような痛みがなくなったんだよ!そういえば痛くないな、と思って座薬を使わないでみたんだけど、ここ4日間くらい全然痛くも辛くもないんだ。処方されてる薬は変わってないし、もしかして抗がん剤の効果かな？と思って。」と父。
「看護師さんが毎日、『痛みを10段階で表すとどのくらいですか？』と聞いてくるんだけど、『1もないな、0かな？』と答えたら『ほぉー』と言ってたよ。」とニヤリ。
それが原因かどうかは定かではないが、痛みがないだけでも気分は良いようだ。痛いというだけで消耗もするし、気落ちもするから。だから、抗がん剤をまたやってみよう、と思っているらしい。
「痛みさえなんとかなれば、また以前のような生活が出来るかも知れない。」と、ひそかな希望も持ってるようだ。
どうなんだろう？体が弱っちゃって、自分で買い物したり雪かきしたり出来るのだろうか？でも、また元気になれれば・・・こちらとしても嬉しい限りである。楽観的過ぎるかな？
今日は「またあの独特の苦しさを経験しなきゃならないのか。」と憂鬱そうだった。本当に・・・そばで見てる方も辛い。いいのか悪いのか。悩む。
