今日は父の検査結果が出る日。一日中、父からの電話を待っていた。
予約時間は朝9時から10時なのに、待てど暮らせど電話は来ない。こっちから掛けてもつながらない。来月のシフトを組む関係で、職場にも連絡しないといけないのに。
午後4時頃、ようやく電話が来た。
「いやー、すごく混んでて、また尿道から入れてやって45分も検査して。痛くて大変だった。」
「この前、造影剤入れてCT撮って、大変なことがわかってしまった。腎盂ガンだって。膀胱の腫瘍のことは、今日は何も言われなかった。リンパ節にも転移している。肺にも転移している。手術は出来ないそうだ。」
手術出来ない、って、まさか?
「医者に余命はどのくらいか聞いたが、答えなかった。」
末期なんだろうな。しかし、末期でもこんなにハッキリと告知するのか。
「だから、手術の予定はなくなったよ。抗がん剤で抑えるしかないらしい。その予定は後日電話くれるって。その後、近くの病院で治療受けられるようにしてもらえると思う。」
父は気丈な人だが、それはそれはショックだと思う。私は自分が乳がんと言われた時よりも、今回の方がずっとずっと辛かった。
パート先で一緒に遅番で働いてるAちゃんも、お母さんが肺がんの末期。休みの度に新幹線で実家に通っている。医者からは「余命1ヵ月」と言われたらしい。
こんな時、どうしたらいいんだろう?迷うことばかりである。自分は乳がんで抗がん剤治療を受けたが、こんな状況での抗がん剤って・・・。どうしよう。
父はまだ食欲もあり元気だが、この先のことを考えると一人暮らしは大変だ。うちに呼んで面倒を見てあげたい。
先日、弟の一周忌で帰った時にこんなことを言っていた。
「オレは老人ホームみたいな所には絶対入りたくないんだ。認知症にもなりたくない。そんなことになるくらいだったら、癌で死ぬほうがよっぽどいいな。」
私の家族って、「こういう風に死にたい」って言ってると本当にそうなってしまうのか。
医師の説明に同席してくれたいとこに電話して話を聞いた。
父の腎盂ガンは5、6cmくらいの大きさで、それが圧迫してて重苦しい感じがするのだろう、とのこと。転移したリンパ節というのは、大動脈のすぐ横にあるリンパ節。
父はまめにかかりつけのクリニックに通っていたのに、この大きさになるまで気づかなかったのか?ガンはいきなり大きくなったのか?医師にもわからないと言われたそうだ。尿検査の細胞診でもグレード3だった。
父のことだから、カラ元気でいつもどおり冗談を言っていたらしい。
「私にとってもオジさんは大事な人だから。良くしてもらったし。これから先の治療の時も、いろいろお世話するからね。rosaちゃん、1人だもんね。」といとこは言ってくれた。小学生の頃、夏休みになるとやって来て、1ヵ月も一緒に遊び暮らしたいとこである。人の情けが身にしみる。
「これから先もまだまだ大変だよ!頑張ろうね。」と励ましてくれた。ありがたかった。