rosa8719の今日もご機嫌

59才で2回目の乳がんに。息子二人は独立し夫と二人暮らし。一日一日をご機嫌に。

人には人の事情がある

イベント無事終了。揉めに揉めたが当日は和やかなムードの中、何事もなかったかのように穏やかに過ぎていった。

そんな中で、新人パートOさんといろいろ話す機会があった。

若い頃は新宿にある大きな会社の女性ばかりの部署で働いていて、毎晩のように歌舞伎町で飲み歩いていたこと。結婚してからは旦那様の仕事を手伝い、男性ばかりの職人の世界で働いてきたこと。体を壊して引退したものの、今までとまったく違う仕事がしてみたくなり、この職場に応募したこと。

人となりがわかってくるにつれ、自分は今まで姑根性、小姑根性で現実を悪い方に捉えていたような気がして、ちょっと反省した。それが伝わったのか、Oさんから歩み寄って心のうちを明かしてくれるようになった。

「私ね、喘息もあるし、背中と胸椎の病気で、突然呼吸が止まって死ぬこともあるかも知れない、覚悟するように、とお医者さんから言われているの。今もまだ検査中なんだけど。死ぬかも知れないと言われて怖くて怖くて。泣き暮らしてたのよ。」
「でも今は大丈夫。私が泣いてると、娘がものすごく心配して、娘も泣いちゃうから。死への恐怖はようやく克服したの。短い人生だったら、やりたいことをやろうと思って!」

本当はこんな体で働いてはいけないのかも知れない。でも、家でただじっとしてるなんて耐えられない、働きたい、と思ったそうだ。背中の痛みがひどくて起き上がれない時もある。痛み止めを飲みつつ頑張っているのだそう。

「仕事を覚えるまでは地獄のような日々だったけど、今は毎日がとても楽しいの!」と瞳をキラキラさせて話してくれた。

一人娘さんとベッタリな親子関係なのかな?と思っていたが、突然死を覚悟するようにと言われてから、娘さんのほうが心配してOさんにまとわり付くようになったらしい。大好きなお母さんがいなくなったらどうしよう、と不安になるのだ。

重い打ち明け話だが、私には彼女の気持ちが非常に理解出来た。なぜなら、乳がんの宣告を受け、抗癌剤治療まで経験したからだ。「死ぬかも知れない。」と死を意識した経験が心の距離を一気に縮めた。

「癌の宣告もキツイけど、私みたいな病気もキツイよ。」と聞いて、(そうか。癌だけじゃないんだ。)とハッとさせられた。

今まで断片的にしかわからず、点と点だったものがつながり、ようやく合点がいった。

「今は毎日がとても楽しくて充実しているの。やってみたいことがいろいろあって!」と語るOさん。これからは姑根性や小姑根性を捨てて、支えてあげたいと思う。