今週のお題「最近おもしろかった本」
職場での休憩時間中、「この頃、物忘れがひどくってー。」というOさんの話で盛り上がっていた。「わかるわー。私も、昨日の休みは何してたの?なんて聞かれると、えーっと・・・と考えちゃう。とっさには答えられないわ。昨日の夕食はなにを食べたの?なんて聞かれても困っちゃうよね。」とAさん。するとOさん、「わかるわー。私なんて、昼ご飯、食べたかどうかも忘れちゃうくらい。」と答えていた。
えっ?昨夜の晩御飯メニューがとっさに思い出せないのはわかるけど、食べたかどうかも思い出せないなんて?それってかなりヤバイんじゃないの?とビックリした。
うちの夫は56才。休日に単身赴任先から自宅に戻り、また帰って行く時に頻繁に忘れ物をするようになった。単身赴任先の部屋で、保険証や部屋の合鍵をしまいこんだ場所がわからなくなって、探し回ったことも数回あった。会話では、「アレだよ、アレ。えーっと、アレだってば。」みたいな、アレ、ソレ、コレ、をナニして、なんて話が多くなり、「アレって何よ?」と伝わらないことも多くなった。
ボケないためにはどんなことが大切なんだろう?と考えていたら、こんな本を見つけたのでさっそく読んでみた。
著者 フレディ松川さんは藤沢市の湘南長寿園病院の院長。30年以上、認知症患者を診察してきた。
「人は長い間の消極的な知的生活および貧しい精神生活によって、脳の神経細胞が減少し、それによって記憶力、思考力が低下し、認知症を発症する」
「消極的な知的生活」とは、本を読んだり、映画や演劇を見たり、芸術やスポーツを楽しんだりしない人生。
「貧しい精神生活」とは、夢を語ったりしない、感動しない、いつも悲観的で物事を杓子定規のように考え、余計なことを一切考えない生活。
簡潔にまとめると、そういう生活を送って来た人が認知症になりやすいのだそうだ。
読んでいて一番興味深かったのは、「職業でわかる ボケる人ボケない人」。
- 認知症で入院してくる男性患者の中で圧倒的に多いのが「元公務員」。次に多いのは「学校の教師」。
- 女性の認知症患者は専業主婦が殆ど。職業を持った女性に限ると、1位公務員、2位学校の先生。
- 公務員は、あまり競争もなく生活が安定している。学校の教師の場合は、生徒が毎年変わっても教える内容が変わらないため。教え方を工夫してユニークな授業を目指すべき。
- 中学・高校の古文、地理、歴史、社会などの教師はボケやすい。意外にボケないのは数学、化学、物理、音楽、それと美術、体育の教師。
- サラリーマンの中では事務系(総務、経理)がボケる。営業系はボケない。人付き合いがうまいから。友達が多い人はボケない。
- 広告マン、宣伝マンなどクリエイティブな仕事をしている人、好奇心旺盛な人はボケない。
- 若い時から「意欲」を持ち続け、脳を上手に使っていれば年をとってもボケない。
- 政治家はボケない。名誉欲、金銭欲、権力欲が強いから。強欲な人はボケない。
- 「高齢のバーのママがボケた」という話をほとんど聞かない。独身が多くお金が頼りで欲があるから。
- 夫婦でも依存度の高いほうがボケやすい。人に好かれようとおとなしくしているよりも、言いたいことは言って正々堂々と生きて来た人のほうがボケない。
- 「指先をよく動かしていればボケない」というのは俗説。寿司屋もうなぎ屋もボケて入院してきた。大工、左官屋、畳屋もボケた。
- 普段から頭を使いながら、よく指を動かしていればボケない。音楽家、画家、作家、写真家、建築家など。
- 几帳面な人(融通がきかない)は間違いなくボケる。
- 「なんとかなるさ」と前向きに考える人はボケない。
- エッチな人はボケ知らず。
本の内容のほとんどがネタバレしてしまいそう(笑)。それにしても面白い!!脳のいろんな部分を使うように工夫して、多方面から刺激を与えて、イキイキ、ワクワクしながら暮らすのがいいようだ。
一番大事なのは「意欲」。どんな時でも良い方向に考えて前向きに生きること。
家族が認知症、という話を耳にすることが本当に多くなった。介護の負担は重くのしかかる。実家の父は80才だが、カクシャクとしていて一人暮らしで頑張っている。非常にありがたいことだなー、としみじみ思う。
私もボケないように頑張ろう!