rosa8719の今日もご機嫌

59才で2回目の乳がんに。息子二人は独立し夫と二人暮らし。一日一日をご機嫌に。

「キツツキと雨」を見た

男の映画である。
何しろ、登場人物が男ばっかり。きれいな女優さんというのは、臼田あさ美さんだけ。あとは、主人公の妻の三回忌にやって来た親戚数人。それ以外は田舎のおばちゃんたち。ものすごーく、地味だ。

私のように、家族は夫と男の子2人で実家は父と弟、という男系家族だと違和感なく楽しめるが、子どもが女の子だけで父親の肩身が狭い家庭だと、この感覚は理解出来ないかも知れない。

作品の評価が大きく分かれているそうで、好きな人はトコトン好きだけど、全然面白くないと思う人もいるらしい。テレビ番組で、くりぃむしちゅーの有田さんがおススメしていた映画とのこで、二男が借りてきて一緒に見た。面白くてじんわりじんわり感動する映画だった。

キツツキと雨
南極料理人」の沖田修一監督が、無骨な木こりと気の弱い映画監督の出会いから生まれるドラマを役所広司小栗旬の初共演で描く。とあるのどかな山村に、ある日突然、ゾンビ映画の撮影隊がやってくる。ひょんなことから撮影を手伝うことになった60歳の木こりの克彦と、その気弱さゆえにスタッフをまとめられず狼狽する25歳の新人監督・幸一は、互いに影響を与えあい、次第に変化をもたらしていく。そして、そんな2人の交流が村と撮影隊の奇妙なコラボレーションを生み出していく。2011年・第24回東京国際映画祭で審査員特別賞を受賞。第8回ドバイ国際映画祭では、最優秀脚本賞と最優秀編集賞、さらに主演の役所広司が最優秀男優賞を受賞。

映画なのに展開がおそろしくゆっくりなので、最初は違和感があったが、それゆえに妙にリアルなのだ。男の不器用さがよく表現されていると思う。

小栗旬さんはただのイケメン俳優ではなかった!最初、挙動不審でオドオド、モジモジしている若い映画監督が小栗旬さんだとは知らずに見ていた。誰だかわからないくらい、正体不明な感じの役柄なので、小栗旬さんだとわかって驚いた。そのくらい見事である。

人と人とが出会って、その関係性の中で変化していく。ゾンビ映画の撮影に笑いながらも、所々でほろりとさせられたり、考えさせられたり。若者のひきこもりとか、対人関係をうまく築けないこととか、社会問題的なことへのメッセージも含まれているように感じた。

役所広司さんは、それはもう、さすがである。父と息子がぶつかり合うケンカのシーンも迫力満点だった。男同士ってこういう所あるよな〜、と思いつつ、最後にはほっとした。じんわりと感動した。