rosa8719の今日もご機嫌

59才で2回目の乳がんに。息子二人は独立し夫と二人暮らし。一日一日をご機嫌に。

「ツナグ」を見た

「たった1人と一度だけ、死者との再会を叶えてくれる人がいるらしい」「その時、最後に伝えたい想いは何ですか?」

二男がレンタルしてきたDVDを一緒に見ようと言って来た。一生に一度だけ、死者と引きあわせてくれる人がいる。“ツナグ”という特殊能力はその家に代々受け継がれているもので、高校生のあゆみ君は祖母から引き継ぐ途中の見習い。依頼者と死者の橋渡しをしている。

自分だったら誰に会いたいかな?病気で余命がわかっていても、それでもうまく伝えられないままで死に別れることもあるし、不慮の事故で思いがけず・・・ということもある。

映画に出てきた三組の話は、どれも切なかった。あゆみ君自身もトラウマを抱えていたが、三組の依頼人との経験の中で成長して、最後の方では答えを見つける。見ている方も一緒に心が浄化されたような清々しさを味わえた。気持よく泣けた。

ツナグ
吉川英治文学新人賞に輝いた女流作家・辻村深月の同名小説を、若手注目株の松坂桃李主演で映画化したファンタジーテイストのヒューマンドラマ。死んだ人に1度だけ会わせてくれるという“ツナグ”の見習いの青年の目を通し、死者と生者の特別な絆を描き出す。監督は『ROOKIES 卒業』の平川雄一朗。

たった一度だけ、死者との再会を叶えてくれる人がいるらしい―。半信半疑で依頼をしてくる人たちの前に現れたのは、ごく普通の男子高校生・歩美(松坂桃李)だった。彼は、すでに死んでしまった人との再会を仲介する使者“ツナグ”を祖母のアイ子(樹木希林)から引き継ぐ途中の見習いである。横柄な態度で、癌で亡くなった母・ツル(八千草薫)に会うことを希望する中年男性・畠田(遠藤憲一)。喧嘩をしたまま自転車事故で死んでしまった親友・御園(大野いと)に聞きたいことがある女子高生・嵐(橋本愛)。プロポーズ直後に突然失踪した恋人・キラリ(桐谷美玲)の安否を確かめたいサラリーマン・土谷(佐藤隆太)。歩美のもとには次々と依頼が舞い込んでくるが、歩美はその過程で様々な疑問を抱く。死者との再会を望むことは、生者の傲慢なのではないか。果たして会いたかった死者に会うことで、生きている人たちは救われるのか。やがてその疑問は、自身の両親の不可解な死の真相へも向けられていく……。

ガン告知をしないまま自分の母親を死なせてしまったことを後悔して自分を責める中年男性の話。
亡くなった母は再会すると、「あんたは本当に口が悪いねー。心の中は優しいのに。」とにっこり微笑んだ。「告知しなかったことはいいんだよ。あんたがいいと思ってやったことなんだから。私は優しい子どもたちと孫に囲まれて幸せだった。幸せな人生だったよ。」このセリフを言った時の八千草薫さん、とっても素敵だった!!私は男の子2人の母なので、すっかり母親目線で見てしまった。不器用な中年男性の優しさ。わかるなぁ。

親友が事故で亡くなってしまい、「自分の小さな殺意が事故を引き起こしたのじゃないか?」と自分を責め続ける女子高生の話。女の友情って、こういう所があるよな、と見ていたが、あまりにも痛々しくて切なかった。嵐役の橋本愛さん、鬼気迫る演技ですごかった。

プロポーズ直後に失踪した恋人を7年間も待ち続けている男性の話。佐藤隆太さんがイメージにピッタリ。桐谷美玲さんが演じたキラリという役が個性的で面白い。恋人は亡くなっていた。愛し合っているのに、あっちの世界とこっちの世界に引き裂かれてどうにもならない。これは切なかった。

あゆみ君役の松坂桃李さんとおばあちゃん役の樹木希林さんが素晴らしい。秀逸である。関係性が素敵だし、イメージにピッタリ。最後の最後の方は本当に泣ける。勿体無くて書けない。私もあんなおばあちゃんになりたい!

二男は原作を読んでいて、死者と引き合わせるホテルの雰囲気とか、小説のイメージそのままだそうだ。原作は短篇集で、映画として作るためにあゆみ君の時間軸で編集されたような印象だとか。素晴らしい作品だった。