rosa8719の今日もご機嫌

59才で2回目の乳がんに。息子二人は独立し夫と二人暮らし。一日一日をご機嫌に。

レンタル自転車で京都めぐり

仙台を脱出して京都へ一時避難する、という決定がなかなか出来なかったのには理由がある。

・一緒に被災した、同僚やご近所、友人たちを見捨てていくような気がして忍びない。
・自分ばかりが助かろうとしているのじゃないか?
・ノーテンキでKYな行動、と非難されても仕方がない。
・水道もガスも復旧までにまだまだ掛かる。不便な生活を強いられてるのはみな一緒なのに。
・ぬけがけじゃないか?

いろんな思いが頭の中を駆け巡って、なかなか決断することが出来なかった。

しかし、長男の大学受験、次男の大学受験と続き、旅行ばかりか実家にも遊びに行けてなかった我が家。夫の転勤先の京都へも一度も行ったことがなかった。引越しは夫一人ですべてこなしていたし。

パートで販売員をしている私は、休日に連休を取るのもなかなか難しかった。日頃、単身赴任の夫には、寂しい思いばかりさせている。「こんな時じゃないと、なかなか京都なんて行けない!」と、重い腰を上げることにしたのだ。

昨夜、単身者向けワンルームの夫の部屋で、何とか家族三人で寝るスペースを確保して横になった。布団に入って少しした頃、「家族揃って京都で一緒にいられるなんて。夢みたいだな。」(長男は離れているので家族全員ではないけど)と、夫がつぶやいた。

今日は、京都の観光地をレンタル自転車で三人で回って、たくさん写真を撮った。坂道を登りながら、ここでもまた夫がつぶやいた。「京都の観光地を家族で回れるなんて。夢みたいだ。」

夫は一人で寂しかったんだろうな、と思った。

この震災で、家族との絆に思いを馳せた人は多くいると思う。みんな大事な人との絆の中で生きている。大切にしなきゃ。