rosa8719の今日もご機嫌

59才で2回目の乳がんに。息子二人は独立し夫と二人暮らし。一日一日をご機嫌に。

巨大地震・4日目

3月14日(月)。

夜中の12時から1時頃、携帯のメール着信音が何度も鳴り、びっくりして目を覚ました。おおーっ、携帯が使えるようになってる!!こちらに届いていなかったメールをようやく見ることが出来た。実家の父からの不在着信もたくさん入っていた。ものすごく心配していただろう夫に、長い長いメールを送信した。

朝6時。夫から携帯に電話が掛かってきた。「ようやく通じたな。」ほっとした様子。実家の父はメールをしないので、この時が震災後初めてのやりとりとなった。心配を掛けてしまった。

ほっとして朝食の支度をしていると、家の電話が鳴った。びっくりして出ると、「rosaちゃん、あら、元気だった?!良かった。」と、父方の伯母だった。私の身を案じてくれていたのはありがたかったが、「秋田も大変だったよ、停電だったし。」と言うので、「でも停電は1日だったんでしょ。こっちはまだ復旧してなくて。」と言うと、「なに言ってるの、秋田だって停電2日間だよ!!あんたのところだけじゃない、日本全国大変な地震だったんだから!」と始まり、自分がいかに大変だったかを語り、結婚した孫娘たちも今回の地震で伯母のいる家に戻ってきた話、うちの実家の父にいくら電話しても出ない、どういうことか、などなど、長々と語り始めた。もう、うんざり。

私はこの伯母のことはどうしても好きになれなくて、ずっと遠ざかっていたのだ。電話で話すのは母の葬儀以来、8年ぶりくらいだろうか。こういう話は、震災直後で疲れた状態では聞きたくない。大変なのはこっちの方なんですけど・・・。ご近所さんや友人たちの温かい人情にたくさん触れられて感激していただけに、非常に悲しかった。「今、朝食の準備していて、燃料もあまりないから。」と電話を切った。

午前10時頃。
町内会の班長さんが、「給水車がくる学校」を教えに来てくれた。次男と2人で行ってみると、「1人2リットルまで」という制限つきだった。制限つきなのであまり待つことなく給水出来て、町内会による、雑炊の炊き出しまでいただいた。ボランティアで子供たちも手伝っている。ご老人たちが頑張ってる。隣の町内会管轄の中学校だったが、私たちの町内会よりしっかりとした運営をされてる様子だった。

午後3時頃。
「トイレの水が必要な方は、公園の奥のほうにバケツなどの入れ物を持って集合してください。」と、スピーカーで放送しながら車が通った。生活用水、なかなか困りものである。女子が多い家は特に大変。「うちはお風呂のお湯をためておいてなくて。」と、困ってる人がいた。生活用水用の水だけあって、きれいなものではなかったが、次男と2人で重い思いをして運んだ。小学校のプールの水も利用されていたが、近所の人じゃないと運ぶのは大変だ。

☆   ☆   ☆

夜中のメールで、「明日の朝9時から、店の復旧作業をします。来られる人は集合してください。」とAさんから届いていた。「ごめんなさい。こんな状態では行けません。」と返事をした。

その作業の帰りに、頼れる先輩Oさんがうちに寄ってくれた。店長と本部のマネージャーは、自転車で1時間かけてやってきたのだそう。あとは、1時間かけて歩いてきたという社員が2人。そしてOさんとAさん。2階の一部分がグシャッと壊れていて、店内はかなりひどい状況だったそうだ。

「あれを直して開店出来る状態にするには、かなりの日数が掛かりそうだよ。」とのこと。しばらくの間、仕事は休みになるようだ。「これ、差し入れよ。」と、水とお茶を置いていってくれた。本当に。みんないい人ばかりでびっくりだ。「がんばろうね!」と励まし合った。

暗くなる前に夕食を、と急いでいたところに、また家の電話が鳴った。出てみると、高校時代の友人Yちゃんだった。「あー、心配したんだよー、生きてて良かった!!」「今まで年賀状ばかりで連絡もしなくてごめんね。」いえいえ、お互い様だ。彼女は子宮頸がんの経験者なのだ。8年位前に会ったきりだったが、その時は手術したばかりだったはず。

「私、乳がんになって手術したのよ。」「えー、本当に。」
彼女は、手術後、再発もなく元気に過ごしているのだそうだ。「私の周りに乳がんの人が三人くらいいるけど、みんな元気だよ。1人の人はリンパ転移もしていたのに、3年経った今も元気だよ。」と言っていた。こういう話からは、本当に希望をもらえる。「みんないろいろあるよね。また絶対連絡するからね。」と電話を切った。

☆   ☆   ☆

電気が復旧していないので、暗くなると何も出来ない。仕方なく、暗くなる前に食事を済ませ、午後7時頃には布団に入って横になっていた。

バンバンとドアを強く叩く音がした。私の名前を呼んでいるので玄関まで出て行くと、近所の奥さん2人と子供たち。
「電気が復旧したんですよー!!教えてあげたくて!」と、みんなにっこり。外を見ると、街灯がこうこうとついている。思わず歓声が上がり、みんなで拍手!!

「電気があるってすばらしいね。」と次男。電気がついたら世界が一変した。明るくて温かくて、人間らしい活動が出来る。心の底から安堵のため息が出た。次男も私も思わず夜更かし。
この時初めてテレビを見て、地震の報道に衝撃を受けた。